珍しくも無い本の雑感13

  • バレンタイン

最近は、だからどうした?
と完全に開き直ってる。
そんな商業主義に乗っちゃいかん・・・なんて事は言わない。
単に貰えないだけ。
営業の仕事を離れてからガラッと変わった。
だんだん義理チョコも減って来て・・・。
頼みの綱は嫁さんだけだ。
えっ?
虚礼廃止?
・・・そーですか・・・。
何の脈絡も無いけどちょっと面白い本に出会った。

  • 新聞評

決してひと前で読まない方が良い。
な〜んて書かれちゃうと気になる。
しかも大々的にコマーシャルしてる訳でも無い。
信用出来るかも・・・と思って読んでみた。
空中ブランコ」である。
著者は「奥田英朗」、1959年生まれ。
全く予備知識が無かったので暫く読み進んでもピンと来なかった。
何が抱腹絶倒なのかな・・・?
っと思いながら読んでいた。
だんだん分かって来た。
面白さがじわじわと浸透して来た。
ついついニヤニヤしてしまう。
会社で始業前に読んでいると怪しまれそうだ。
いや、確かに面白い。
題材が巧い。
この病んだ世の中で絶対にありそうな話ばかりだ。

  • 連想

何だかこのノリは懐かしい。
何故だろう?
どうも読んでいると何だか沼津の友人の顔が浮かんで来る。
絶対にあいつの好きなキャラだと思った。
共通点もある。
登場するDr.伊良部ほどでは無いだろうけど脂肪は多い。
(最近は医者に言われて減らしたらしいが・・・)
マニアックで知的ミーハーで、何でも幅広く舐めてみる。
中学生の頃から洋画ファンだったし、中国文学も読んでた。
英語はお気に入りだったが、算数は学問として認めて無かった。
良くオリジナルのマンガも描いてたなあ・・・。
何だか訳が分からないがしょっちゅう鼻血を噴いてた。
ゆるぎ無い個性的キャラだった。
Dr.伊良部はヒトを舐めてる、と言うか完全に喰ってる。
この雰囲気が何と無く連想させるんだと思う。
あいつはヒトどころか世の中まで舐めきって喰っちゃってる。
遥かに大物かも知れない・・・。

  • 先発

この本は5つの短編で構成されている。
空中ブランコ」「ハリネズミ」「義父のヅラ」「ホットコーナー」「女流作家」
どれもみんな面白い。
しかも何ともあと味が良い。
面白くて清涼感が残ると言う1粒で2度美味しい本だ。
強いて難を言えば5編の並べ方はミスっている気がする。
自分的には「ハリネズミ」か「ホットコーナー」を先発させたい。
その方が初めて読んだヒトをあっという間に奥田ワールドに引き込める気がする。
空中ブランコ」から入るとワールドの理解が遅れる気がする。
ま、結果的に全部面白かったからいいんだけど・・・。
自分的に一番笑えたのは「ハリネズミ」かな・・・。
一番印象に残ったセンテンスは「ホットコーナー」にあったヤツ。

「だってそうだろう。言わせてもらえば、最初からできた人間は、自分がどうしてそれができるかを考えないんだ。だから一旦歯車が狂うと、修正に手間取るんだよ」

そ〜なんだよなあ・・・。
世の中には器用で何でもすぐに出来ちゃうヒトって居るんだよなあ・・・。
逆に何をやってもすぐには出来ないヒトも居る。
すぐに出来ないから出来る様になるまでコツコツ努力する。
器用なヒトはそんな努力が必要無いし、理解出来ない。
ヘタすればバカにしたり、笑ったりする。
でも挫折を知らない順風満帆のヒトって一旦コケると悲惨・・・。
う〜〜〜ん・・・。

  • 恐るべし

沼津のDr.伊良部じゃ無くって友人にメールを送った。
もう読んだかも知れないが、今「空中ブランコ」って本を読んでる。
どうしても友人の顔が浮かんで来る、と言う内容だ。
すぐに返事が来た。
異常者の博覧会みたいな本だけど面白そうだ。
ついでに「イン・ザ・プール」も読んでみようかな、と言う事だった。
何だ?「イン・ザ・プール」って・・・?
早速「やっほー」で調べてみる。
そ〜なんだ。
この著者の2年前の作品だったんだ。
やっぱしあいつはタダの飽食・飲んだくれのハマちゃんでは無かった。
恐るべし!