中華料理屋の雑感Ⅵ

  • 前々々夜祭

夕べの話だけど・・・。
18日は嫁さんの誕生日だ。
この時期になるとあれこれ作戦を練っている。
いつもだと何か買いたいモノを物色してる。
別にいつでも欲しいモノは買ってんだから特別な事じゃ無いと思うんだけど・・・。
誕生日は何かが違うらしい。
大義名分みたいなモンなのかな・・・?
でも今年はパターンが違った。
美味いモノを喰いに行きたいと言い出した。
えっ・・・?
そっかあ・・・。
そう言えば年末にせっせとリサイクルショップに服を運んでいたっけ・・・。
我が家のルールは「モノを増やさない」こと。
1つ増やしたら1つ減らす事になっている。
既に買いたいモノは全部買ってしまったと言う事か・・・。

  • 提案

嫁さんの提案は横浜だった。
そりゃあこの街と違って美味いモノがある。
横浜と言えば中華料理。
でも中華街では無い。
我々のお気に入りはそごうデパートの10階にある。
ホテルオークラのレストラン「桃源」である。
知る限り関東で一番美味しいと思う。
しかも流石はホテルレストランである。
客扱いはバツグン。
兎に角心地良く食事が出来る事請け合いである。
この接客サービスだけでも料金の半分に値すると思っている。
玉にキズは電車に乗って行かなきゃいけない事。
「桃源」が我が街に来てくれたらどんなに良いか。
あり得ない。

  • 買い物

折角横浜まで出掛けると言うのにレストラン直行はあり得ない。
やっぱし横浜は大都会だ。
そごうと隣のスカイビルを少しだけ舐める。
オジサンはロフトで来年の年賀用の版画板を購入。
最近、我が街の大型ホームセンターでは売っていないのだ。
流石はロフト。
質の良い板が沢山置いてあって良い買い物が出来た。
えりゃあ満足である。
嫁さんはウィンザーラケットショップに行きたいと言う。
おっ!出たぞ!
いよいよ満を持してラケット購入か・・・?
あれっ?予想に反してシューズなんかを物色している。
しかも1足しか買ってない・・・。
おかしいなあ・・・。
ま、いっか!
いよいよ「桃源」に向かう。

  • アラカルト

コース料理にしようかどうか迷った。
嫁さんはコースにプラス「春巻き」も喰いたいと言う。
「レタスのチャーハン」も魅力だと言う。
それならアラカルトにした方が良かろうと言う事になった。
まずは生ビール。
前菜に「バンバンジー」をオーダー。
蒸し鶏のとろける様な食感とちょい辛のゴマダレが絶妙だ。
めっちゃくちゃ美味い。
泣きそうである。
「これだけでもう満足出来る」
夫婦揃って安い造りなのだ。
次は「五目豆腐」
これもオイスターソースが絶妙。
美味くてソースも舐めるように全部頂いた。
1つ1つの具も美味かったあ。
豆腐、タケノコ、シイタケ、肉、イカ、夫々が存在を主張出来る味付けだ。
食材も超一流だし味付けも超正統派である。
間違っても豆腐が酸っぱかったりしない。
そして「白菜のクリーム煮」
濃厚なクリーム。
全部に共通しているがダシがバツグンに美味い。
具は上品な白菜とマッシュルームだけとシンプルだが美味い。
もうここまででお代わりの生ビールも終わってしまった。
おかしいな・・・?
「春巻き」が来てないじゃん。
スタッフの姉ちゃんがハッとした様な顔をした。
やられた・・・。
暫くして「春巻き」登場。
これが又美味い。
千切りタケノコの食感がたまらない。
嫁さんがマメにもインターネットクーポンを持って来て赤ワインをゲット。
ちょっと順番的には作戦失敗だった。
赤ワインに「春巻き」はちょっとビミョーだ。
これはやっぱし生ビールで喰いたかった。
ここまで喰って案の定、腹一杯になってしまった。
待望の「レタスチャーハン」はもう入らない。
諦めてお茶にする。
嫁さんは別腹の「杏仁豆腐」を喰ってる。
いわく、ここの「杏仁豆腐」は日本一美味いそうだ。
これでざっと10,000円だ。
ちょいと高めではあるが価値あると思う。

  • 双璧

「桃源」には久々に来たがやっぱし美味い。
他の店と並べるべき店では無いとは思うが・・・。
我が街の中華料理屋とはとっても比較にならない。
全く次元が違う。
ここのは全く別のジャンルの料理だと思う。
我々的にはこの店と札幌グランドホテルの「黄鶴」が中華料理屋の双璧だ。
甲乙付け難い。
今回の「桃源」はちょっと味付けが変わった様な気がした。
ダシの美味さ、油っこく無い上品さ、さっぱり系の味付けは変わっていない。
が、全体に味が濃厚になった、と言うかはっきりした気がする。
中華街の超有名店は比較的しょっぱい濃い味で、喰ってる内に飽きて来る。
そう言う濃さとは違うんだけど何と無く濃厚さを感じた。
でも兎に角美味い事に変わりは無い。
電車に乗ってでも喰いに行く価値は十分にある。
仕合せな晩だった。