年賀状の雑感

  • 増殖

毎年、この時期になると結構な労力を取られる。
いつしか仕事の延長戦みたいになって来た。
営業をやってた頃は完全に仕事の一部だった。
年賀状枚数は自然増殖する。
仕事がらみで一旦出してしまうと止めるのは至難のワザだ。
札幌にいた頃はピークで300枚くらいまで膨らんだ。
それ以外に仕事用の会社名の年賀状も100枚以上出してた。
札幌みたいな土地柄、得意先も馴染んでくると個人の年賀状をくれる。
するとこちらも個人の年賀状が増える。
ヘタをすると同じ人物に個人名と会社名の両方が届く。
明らかにやっつけ仕事になってた。

  • 添え書き

大半は印刷屋に出したハガキにワープロで住所を印刷する。
ワープロは確かに便利だった。
が、印刷前にデータの確認をするのがなかなかホネだった。
昨年のハガキの住所と1年間の転居のお知らせを確認する。
全部印刷だけの年賀状は殺伐としている。
このままではほとんどダイレクトメールと変わらない。
そこで必ず全てのハガキにヒトコト添え書きをした。
このヒトコトがなかなかクセモノだ。
如何に短いセンテンスにウィットを盛り込むか。
ヒトコトで顔がパッと浮かぶ様なセリフを考える。
勝手ながらこれでハガキに命が吹き込まれると思っていた。
と言う訳で勝手ながら頂くハガキも同様に考えている。

  • 版画

誰でも子どもの頃に版画を作った事があると思う。
学校の授業で作らされたりした気がする。
昔は頂いた年賀状の半分くらいは版画だった様な気がする。
又、大半が墨字だった様な・・・。
小市民的には正月らしくって良いと思うんだけど・・・。
オジサンも中学校になって版画年賀状を作り始めた。
もう40年近く昔の話だ。
版画は面白い。
以来、ハマッて毎年版画年賀状を作っている。
年に1回だけ子どもに戻って夢中になって作る。
自分で見ても稚拙である。
ド素人の我流で最初に作ったモノと全く変わっていない。
でも幼児がえりみたいな面白さがある。
オジサンの版画は多色刷りなので大量生産は出来ない。
頑張っても50枚くらいが良いところだ。
こうして年賀状は2群に分けて出す事になった。
版画50枚と印刷350枚みたいな・・・。

  • リストラ

営業から足を洗った今はこんな作業は意味が無くなった。
折りも折り、会社の業績悪化に伴って雰囲気も悪化して来た。
仕事に専念する為に虚礼廃止せよ、とか言い出す幹部が出て来た。
年賀状なんか書く暇があったら仕事しろ、と言う訳だ。
勿怪の幸いとばかりリストラに取り掛かった。
とは言っても止めるのは簡単では無い。
この街に引っ越してきて1年半で家移りしたのもチャンスだった。
最初の3年で大ナタを振るって150枚くらいまで減らした。
ほとんど仕事がらみだったが相手も助かった事だろう。

  • 返信

この後が問題で昨年から3年計画を実行中。
まずは明らかに生涯やり取りしたい相手を選別した。
次に添え書きの全く無いハガキのリストラ。
多分、この相手は作業として年賀状を出していると推察した。
昨年はこの相手には年賀状を出さなかった。
ハガキが届いたら返信する作戦に出た。
きっと相手も感謝していたと思う。
これだけで今年、かなりの数が減って120枚くらいに。
もう一息だ。
今年は第二段階である。
今年は版画を80枚作って、生涯やり取りしたい相手のみ出した。
後は全て届いたハガキに返信した。
同時に電子年賀状の活用を始めた。
差出人がメルアドを書いて来るケースは多い。
折角書いて来るんだから使ってあげなきゃ・・・。
これには大抵、ビミョーなお礼メールが返って来る。
ホントはハガキで欲しかった様な・・・。
IT時代なんだから・・・。

  • 目標

今日は忙しかった。
返信のハガキ作りと電子年賀状作り。
何とか版画80枚で賄えそうな気配である。
第三段階の来年の目標は60枚だ。
やはり生涯やり取りしたい相手30枚のみを投函。
後は返信と電子年賀状で賄いたい。
よっぽど流れ作業で出しているヒト以外は返信と気付くはずである。
ホントにやり取りしたいヒト以外が如何に多かったかが良く分かった。

  • 原点

今年は年賀状を見るのが楽しかった。
だんだんエキスが濃くなっているので当然だが・・・。
紙面に気持ちが溢れている年賀状が多い。
今年の我が家の年賀状コンクール優勝は流山市にお住まいのW谷氏。
何年か前に台湾でご一緒させてもらったご夫婦だ。
以来、ちょくちょくメールや電話のやり取りをしている。
ご主人はなかなかの人物で尊敬に値する。
又、結構パソコンの達人でいろんな写真合成なんかもされている。
今年の年賀状は戦時中の軍人のモノクロ写真にご夫婦の顔が合成されたモノ。
思わず吹いた。
多分、昨秋大連に行って来たのでその影響かも・・・。
なかなかのセンスである。
他にも旅で知り合ったヒトから幾つか年賀状が届いた。
こんな風に年賀状を1枚1枚見ながらそのヒトを想うのは楽しい。
年賀状の原点みたいな気がする。
やっとカタギの生活に戻りつつあると言う事か・・・。