挨拶の雑感Ⅴ

  • 賃貸

ウチのマンションは分譲と賃貸が半々だ。
従って結構入れ替わりが激しい。
やっと名前を覚えたヒトがすぐ出て行ってしまう。
今は顔と名前が一致するヒトはごく僅かしかいない。
お隣の若夫婦は今年賃貸をやめて大船に大きなマンションを買った。
上の階の若夫婦は分譲だったが近所に一軒家を建てた。
ここんちには今も嫁さんがちょくちょく行ってるらしい。
何でも「まお」と仲良しのミニチュアダックス「ロン」くんがいるとか。
知らない顔のヒトと会う機会が増えた。
我が家は結構長老格になって来た様だ。

  • 雰囲気

マンション全体の雰囲気はメンツで随分変わる。
5年前に入居したばかりの頃はびっくりした。
何でこんなに挨拶しない人間ばっかりなのかと呆れた。
挨拶なんて意識した事も無かったのに、ここに来てから構える様になってしまった。
挨拶して良いヒトといけないヒトを瞬時に見分けなければいけない。
挨拶が結構なストレスになっていた。
最近は随分雰囲気が変わって来た。
メンツが変って随分雰囲気が良くなって来た。
会うヒトが皆当たり前の様に挨拶する様になった。
雰囲気と言うのは面白いモンだ。
以前は挨拶しても無視されたヒトが挨拶する様になった。
こちらがびっくりしてしまう。
えっ?同じヒトなの?と思うくらいだ。

11月頃、突然マンションのエントランスに鉢植えが置かれた。
見慣れない鉢植えだった。
一見造花の様にも見えるがどうも生きてる。
黄色い何とも奇妙なカタチの実がいっぱい付いてる。
かすかな記憶を頼りにインターネットで調べた。
やはりフォックスフェイスだった。
幸運を呼ぶとか何とか目出度い植物らしい。
きっと3階にお住まいの老夫婦だと思う。
いつも切り花を置いてくれたり、七夕飾りを置いてくれたり・・・。
アオシスの様なご夫婦である。
この鉢植えがキッカケになってマンションの雰囲気が変わったのかも・・・。

  • 職場

反面、職場は暗転した。
ムードメーカーの先輩が停年退職され、雰囲気が変わってしまった。
メンツが少なくなった事も影響しているが、押えが効かなくなった。
最近は挨拶が出来ない輩が目に付いて憂鬱になる。
オジサンは毎朝「おはようございま〜す」と大声でオフィスに入って行く。
ほとんどのヒトが元気に挨拶を返す。
中に数人、下を向いたまま無視してる輩がいる。
メンツが少なくなった分それが分かってしまう。
1人は60歳ちょい手前、1人は30歳そこそこ。
要するにド団塊団塊ジュニアと言われる世代である。
人材の不良債権とまで言われる世代だけに対応は難しい。
ってゆ〜かあ、多分煮ても焼いても喰えない。
「言わなきゃ分からんヤツは言っても分からん」
けだし名言だと思う。