昼メシの雑感Ⅱ

  • 食堂の幸せ

会社には食堂が完備されている。
カフェテリア方式で好きなものを好きなだけ喰える。
メニューもかなり充実している(と思っている)。
もっと立派な会社の食堂の豪華なメニューの話も聞くが「知足」が大切。
日々満足である。
最近ここの事業所の総務課長が頭を抱えている。
何故か?
原因は食堂の売上不振。
弁当派の急増が食堂業者の経営を圧迫しているらしい。
それも愛妻弁当手弁当では無い。
コンビニ弁当やオニギリ・カップ麺・ハンバーガーに流れている。
俗に言われるジャンクフードに食堂業者が脅かされている。
特に若い連中が続々弁当派に変っている様だ。
対応に窮した総務課長は弁当禁止令を出した。
「もともと事業所内は食堂以外での飲食は禁止である」とおフレを出した。
工場の現場系はこれで結構効果があった様だが事務系はダメだった。
どっかで弁当を喰ってる連中が後を絶たない。
「何故?」と訊いてみた。
答えは簡単だった。
「食堂は高いじゃ無いっすか〜」
差があるとしても100円くらいだとは思うが・・・。
価値観の相違だから仕方無いか・・・。

  • 反弁当派

オジサンは比較的弁当が苦手である。
年に数回は仕方なく喰う破目になるがとても残念だ。
大人数の会議や研修などでは物理的にどうしようも無い。
でも出来れば立ち喰い蕎麦の方がましである。
本社に行った時に取締役クラスがデスクで弁当喰ってる姿を見ると寂しくなる。
更に昼メシはハンバーガー1個とかおにぎりだけとか言うヒトも信じられない。
確かに20代の頃、営業をやっていてめちゃめちゃ忙しかった時は良くあった。
いつもコンビニでおにぎり買ってクルマを飛ばしながら昼メシだった。
見る限りそう言う状況とは違う。
でも経済的な理由だけじゃ無さそうである。
「食」に興味が無いんだろうな。
オジサンは歳を喰うに従って喰う楽しみがどんどん大きくなっている。
ってゆ〜かあ、喰う事しか楽しみが無くなりつつあるのかも・・・。

  • 仕出し弁当戦争

地方の事業所に行った時は仕出し弁当しか無い。
こちらも競争は熾烈らしい。
いろんな業者が営業に回って来るそうだ。
こちらの世界はテキの顔が見えない所為か値崩れが激しい。
埼玉の事業所は1食450円で契約していると言う。
ところが当初30食程度の注文があったが、現在は激減し10食程度らしい。
こちらも例に漏れずコンビニ弁当派が蔓延って来たそうだ。
その差は50円くらいだろうに・・・。
大阪事業所はもっと凄い。
やはり土地柄なんだろう。
1食350円の業者に落札したそうだ。
信じられない値段だ。
流石にこちらは全員仕出し弁当を注文してるかと思いきや・・・。
それでも少数ながらコンビニおにぎり派とかがいる。
凄い世界が展開されている。
片や3,500円の懐石ランチ、仏メシランチ3,000円とか言う世界もある。
彼らが聞いたらひっくり返るだろうな。
でもそれでバランスが取れているんだろう。
みんなが350円の弁当やコンビニおにぎりに走ったら日本経済が崩壊する。
何より味オンチばかり増えては日本の食文化が崩壊してしまう。

  • ヒトの道

仕出し弁当はかなり手間暇がかかっている。
業者が温蔵庫やポットを持ち込んで、暖かいご飯や味噌汁が喰える。
更にふりかけ・漬物などもあり、コンビニ弁当とはちょっと趣が異なる。
ほとんど食堂の定食に近い。
これで450円とか350円とかでは気の毒なくらい。
にもかかわらず埼玉の事業所では謀反が起きた。
大阪事業所の350円情報が耳に入ったらしい。
従来の業者は只でさえコンビニ弁当派が増えて困っていた。
そこへ3人ほど他の業者から仕出しを取る輩が現れた。
値段が400円と少し安いと言う。
しかも味噌汁は従来の業者のを掠め取って飲んでると言う。
従来の業者は泣きそうらしい。
これを聞いた時は流石に一喝した。
「只でさえケツメドの小さな根性に加えて、ヒトの道を外れた所業だ!」
「お前ら「お互い様」とか「相身互い」とか言う感覚は無いのか!」
テーマがあまりに小さ過ぎて言ってる本人が情けない。
彼らも50円や100円の事で外道扱いされたらたまったモンじゃ無いと思うが・・・。