中華料理屋の雑感Ⅴ

  • 快晴

いやあ〜、久し振りだ。
本気で晴れた。
真面目な雲一つ無い晴天なんて10日ぶりくらいじゃないかな?
秋色が濃くなって一番良い季節なのに何てこった、と思っていた。
毎日毎日、雨模様で台風はバカスカ来るし・・・。
長雨と台風の影響で野菜が数倍に値上がりしてるとか。
特にレタス類が高いとか。
でも毎年何かを理由にして値上げしてると言う気もするけど・・・。
一時的に堪えればあっという間に値崩れするっしょ。
近所の店を覗くと、地場の野菜は別に関係無さそうだ。
いずれにしても野菜好きにはイヤな話だ。

  • テニス

そんな時はテニスに限る。
えっ?、関係無いだろって?
あるんだ、これが・・・。
嫁さんは今、何かを掴みかけてる様だ。
と言う事で、15:00頃にテニスコートへ出陣。
やっぱしこの時期は最高。
風も爽やか、暑からず寒からず、絶好のテニス日和だ。
透き通るような陽光のシャワーの中で気持ち良く打って来た。
真夏と違ってバテる事が無い。
でもトレーニングはハードである。
自分にムチ打って無理やり足を運んでボールを追う。
それだけでクタクタである。

  • チャレンジⅡ

そんな訳で疲れたら外食。
野菜が高かろうが何だろうが全く関係無い。
今日は中華に行く事とした。
昼間、「まおさん」で通りかかった「R園」を提案してみる。
ロケーションはJR西口の南側正面。
駅から徒歩15歩くらい。
ケーキ屋「Aし」が経営し、「Aし」のビルの2階にある。
確か、ここは我々がこの街に来た翌年の七夕の日に来た。
あまり印象に残っていないが何と無く「濃い味」と言う記憶があった。
正確な評価は覚えていない。
一抹の不安はあるがチャレンジⅡと言う事に・・・。
店は結構混んでいた。
それほど広くないフロアで8テーブル。
分煙はされていない・・・。

  • ビール

まずビール。
「生2つ!」
「済みません。ビンビールのみとなります」
先制パンチが強烈である。
思わずテーブルにアゴをぶつけそうになった。
それでもビンビールはアサヒスーパードライの中ビンだった。
まだ幾らか救われた。
最近は「まずビール」で満足出来る店が凄〜く減った。
半数以上は発泡酒に流れた。
これは許し難い。
それに較べりゃ、ビンビールは上等な方かも・・・。

  • 折衷案

メニューを吟味する。
セットものとアラカルト料理の価格が両極端だ。
セットものは「飛鳥定食」や「レディースセット」などがある。
お値段は「ラーメン・チャーハン・杏仁豆腐セット」が1、050円とお得。
「レディースセット」は野菜系ヘルシー料理3品にごはん、スープ付き。
これにデザート付きで1,155円は安い。
「飛鳥定食」は「豆腐の醤油煮込み」と「鶏肉のクルミ炒め」の2品。
後は同じだがお値段は1,575円。
これも安い。
アラカルト料理は1品1品が結構なお値段である。
小皿で千円強〜3千円の範囲で設定されている。
いっぱしの中華料理屋価格だ。
札幌グランドホテルの「黄鶴」じゃあるまいし・・・。
横浜そごうのニューオータニ「桃源」とも良い勝負かも・・・。
考えた。
アラカルトで外したら悔しくって今夜眠れなくなっちゃう。
タダでさえ「まお」のイビキで寝不足である。
折衷案は「飛鳥定食」「春巻き」「中国野菜の塩炒め」で様子を見る事に。
もし足りなきゃ後で麺類でもオーダーしよう。

  • アブラ

最初に出て来たのが「中国野菜の塩炒め」
アラカルト料理だ。
中国野菜はチンゲン菜だった。
純粋なチンゲン菜のみで他には薄切りニンニクが入っているだけ。
ん〜〜〜ん。
不味くは無い。
味もどちらかと言えば薄味の方だ。
でもこのシツコサは何だろうと考えた。
分かった!アブラだ!
何だかアブラが口にモタ付く。
これで1、200円くらいするとちょっとムッとする。
郊外型中華レストラン「Bミアン」に「中国野菜の強火炒め」と言うのがある。
野菜は季節によって変わるが、通常は正にチンゲン菜炒めだ。
他に金華ハムやネギの輪切りなどを混ぜて一気に炒めてある。
香り付けに醤油系ソースを使う。
これがさっぱりしていて、とっても美味い。
値段も1/3である。

  • 皮の厚さ

次に出て来たのが「春巻き」
1本120円で2本以上なら本数をリクエスト出来る。
チャレンジなので2本オーダー。
後で胸を撫で下ろした。
1本ずつ喰ったら十分だった。
もうこれ以上は喰えない。
ごついのである。
ツラの皮では無いが、皮が厚くてごつい。
中に何が入っているか分からない。
食感がボテっとしてやはりアブラがモタ付く。
具に何が入っていたのか不明。
札幌の「黄鶴」の春巻きはタケノコが千切りされていて喰うとシャキシャキ。
皮はあくまでも薄く、さっぱりしている。
具の味が1つ1つ全部分かるくらい繊細で互いに邪魔しない。
違えば違うモノである。

  • 濃い目の味

次いで定食に付いてる料理が2品。
「鶏肉のクルミ炒め」はちょっと濃い目の味。
でもこれが丁度良かった。
良くある「鶏カシュー」と違ってクルミは味がボケそうな気がする。
ちょっと濃い目の甘辛味は良く絡んでいた。
ビールのつまみになった。
但し、アブラが口に残るのは共通していた。
ちょっと辛みを強くしても美味いかも知れないが、一番イケてたかも・・・。

  • 酸味

もう1品の「豆腐の醤油煮込み」が問題だった。
先に喰った嫁さんが「豆腐が酸っぱい」と言出だした。
げっ。
もうこのヒトコトで料理を味わうモードじゃ無くなる。
確かめてみる。
微妙である。
ソースは明らかに酸味がする。
多分、黒酢か何か使ってるんだろう。
問題は豆腐そのものである。
微妙に酸味を感じるし、気のせいか醗酵した香りがする様な・・・。
もう一旦気になってしまうと全然ダメである。
勘弁してよ〜。
豆腐料理に酸味はタブーだよ〜。
それを差っ引いてもアブラがモタつくのは共通だった。

  • トラウマ

酸っぱい豆腐にトラウマのある小市民であった。
7年くらい前に武勇伝を作った。
友人夫婦と4人でゴルフに行き、前夜ロッジでスキヤキを喰った。
3人は「豆腐が酸っぱい」と喰わなかったが、1人だけ喰った。
「大丈夫だよ。死ぬ訳じゃ無い」とか言って・・・。
果たして夜中に吐きまくり、のた打ち回った小市民だった。
翌日のゴルフは身体が軽くて妙に調子良かった覚えがあるが・・・。

  • キューちゃん

定食にはごはんとスープと漬物が付いていた。
「豆腐の醤油煮込み」を途中で放棄してごはんに向かった。
別に何とか言う銘柄米でも無いだろうが美味かった。
漬物は市販のキューちゃんだったが美味かった。
さっぱりしていると言うだけで救われた。
もうとても追加オーダーする気にはならんかった。
お茶を頼む。
ついつい「お茶は有料ですか?」と言う頼み方になる。
そう言うご時世なのだ。

  • 腹膨るる業

このまま帰るのは何だか気が済まない。
でも喰いモノにイチャモン付けるのも心苦しい。
言いたい事を言わないのは、腹膨るる業である。
どうしてくれようか?
アンケート用紙があった。
取り合えず無記名だが書いておこう。
「全体にアブラっぽい」「豆腐が酸っぱく感じて気になってしまった」
「春巻きの皮がごつい」などなど・・・。
このアブラっぽい料理は多分2度と喰う事は無いと思う。
我々が歳喰ってアブラに弱くなっているのも事実だが、それにしても・・・。
嫁さんは支払いが済んでからレジでヒトコト言っていた。
「豆腐が酸っぱくて残した」
女将さんらしきヒトが吹っ飛んで来て残り物を味見してた。
「これは黒酢の酸味です。豆腐は今朝仕入れましたので絶対大丈夫です」
誠実な素早い対応である。
取り合えず嫁さんも気が済んだ様である。
でも豆腐の酸味は黒酢とは違うと信じている小市民であった。