イタメシ屋の雑感Ⅳ

  • 「フレンド前線」

ヘンな天気である。
曇ったり、陽が射したり、小雨がパラついたり・・・。
そして朝からずっと強風だ。
いかにも等圧線が込んでいると言う天気だ。
我が家ではこう言う場合の呼び名が定着している。
「フレンド前線」が近づいている、と言う。
命名者はもちろん嫁さんだ。
最初に聞いた時は面喰らった。
ハトマメだった。
何でもスポーツクラブで知合いの方に教わったらしい。
その方は海上保安庁のOBだと言う。
プロである。
はは〜〜〜ん。
読めた。
涙が出るくらい笑わせてもらった。
以来「フレンド前線」は我が家で市民権を得た。

  • 「テニスにならない風」

これっくらい強風だとテニスは難しい。
折角、数年ぶりに嫁さんがコートに行きたいと言ってるのに・・・。
何でも「昨日のレッスンでヒントを掴みかけた」と言ってる。
そう言う時は沢山ボールを打った方が良いのは事実。
でも今日は無理だ。
我々は「テニスにならない風」と呼んでいる。
仕方が無いのでマンション前の道路でレッスンの真似事。
良いオッサンとオバサンがビシバシやってるのは異常な気はする。
が、始めれば夢中。
辺りに乾いたボールの音が響く。
最近のテーマは「足の運び方」である。
それだけに集中してボレー&ボレーとミニラリー。
コートでボールを打つより数倍疲れる。
足を止める暇が無い。
小一時間もやったら汗みどろ、くたくたである。

  • 桶屋

風が吹けば桶屋が儲かる
フレンド前線が来ると飲食店が儲かる。
疲労困憊の後は外食と決まっている。
さて、どうしよう。
最近は外食に困る。
行きたい店が無い。
なかなか辛いものがある。
この街に来る前までは、時々行きたい店が少なからずあった。
それもふと思いついて行けるところが良い。
この街は無いねえ〜〜。
外食の客層は2種類にはっきり分かれるそうだ。
1つは腹を満たす事のみが目的の客。
兎に角、安くて量があって味はもののついでみたいな・・・。
もう1つはとことん味を追求する客。
幅が広くて上を見ればキリが無い。
どこの街にも後者ながら庶民的でリーズナブルな店が必ずあるモンだ。
でもこの街はホントに無い。
99%は前者タイプ。
残り1%の内、値段と味が見合った店は極めて少ない。
数少ない値段に見合った店は予約が必要だ。
仕方が無いので近さで決定。
今日の桶屋は「Pトーラ」になった。

  • 「Pトーラ」

20:00過ぎの遅めの時間にも拘わらずそこそこ混んでいる。
大したモンだ。
知っているヒトは揃って「びっくりするほどの味じゃ無い」と言う。
でも結構な混雑だ。
相変わらず、外人さんや近所のファミリーが多い。
本日のご注文は「シーザーサラダ」「若鶏のせんべい揚げ」
マルゲリータピザ」「キノコの醤油味スパゲティ」
トマトソース系は避けている。
印象としては期待していなかっただけに思ったより良かった。
「シーザーサラダ」はもっと喰いてゃあ。
「若鶏のせんべい揚げ」は結構イケる。
塩・胡椒を持参すると良いかも知れない。
「ピザ」は全般にオススメし難い。
「キノコの醤油味スパゲティ」は味は合格。
パスタの茹で方がアルデンテのちょっと手前だった。
小麦粉の香りが口一杯に広がり・・・お好きな方には良いかも・・・。
小市民はちょっと・・・。
蕎麦じゃ無いんだから・・・。
ここんちの「スパゲティ」はペペロンチーノ系か醤油系が良さそうだ。
ま、これなら何とか許容範囲内じゃ無いかな。
これでビールを2杯ずつ飲んで5,000円弱。
安いのも人気の秘訣なんだろうな。
思った以上には満足出来た。
嫁さんは何より今日は眼光鋭いスタッフが居なかったと喜んでいた。
何でも目配りの権化みたいなヒトなので眼が合うと気疲れするそうだ。
当店で初めて寛いだ気分で食事が出来たとご満悦だった。
なるほど。

  • 「なんや亭」のシェフ

数日前、嫁さんがシェフにバッタリ会ったと言う。
この街の大規模ショッピングセンター「Oピック」だったそうだ。
元気そうだったらしい。
何せ伝説の店「なんや亭」である。
再開を望む声も多いらしい。
店を閉めてから、他の店を手伝っているとか。
やはりイタメシとドルチェの店で「Iト」と言う。
嫁さんとしばし話し込んだ様だが、店をやりたい意欲はあるらしい。
でも共同経営の難しさ、経営の大変さ等を思い知ったとか。
なかなか踏み切れない様だ。
「Pトーラ」の話題も出したそうだ。
業界でも名は知れていると見える。
でも「味見に行くに値しない店」と一刀両断だったとか。
ま、そりゃあね。
比較にならないのは間違い無い。
何とかもう一度「なんや亭」が復活してくれないかな・・・。