ビストロ「M」のこと

  • 隠れ家

実は我が家には取って置きの隠れ家がある。
ビストロ「M」だ。
我々夫婦の好みを知り尽くしている。
ほぼ完璧に満足させてくれる。
シェフはなかなか舌が肥えている。
結構味にうるさい。
世界を又に掛けてキャリアを積んでいる。
どこかで味わった味はたちまち自分のモノにしてしまう。
キャパの大きさを感じさせる。
味もさる事ながら量の調節もお好み通りだ。
泣く泣く料理を残してしまう心配が無い、
これも小市民にとっては嬉しい。

何と言っても当店はビールが美味い。
何時でもアサヒスーパードライが飲める。
我々はこれが一番である。
エンジェルリングを作りながら「ちっくしょ〜」とやる。
こたえられない。

  • こだわり調味料

調味料には拘りがある。
野菜や肉系に使う塩はオーストリアやドイツの岩塩。
ミルはスイス製だ。
魚系の料理には海の塩を使う。
こちらはベトナムやトルコの天然塩だ。
胡椒は更に拘りがあり、やはり世界各地から集めてある。
トルコやカンボジアのブラックペッパー。
エジプトやスーダンのレッドペッパーやチェリーペッパー。
スパイス類の多くは地中海地方産が多い。
オリーブオイルはやはりイタリアのエキストラバージンオイル。
チーズもやはりイタリアだ。
最近は自家製のローズマリーなども登場する。

  • 無国籍料理

基本的にメニューは無国籍だ。
ベースはイタメシと中華と和風。
多様な組み合わせが楽しめる。
本日のメニューはまずサラダ。
ルッコラとモッツァレラチーズとフレッシュトマト。
ドレッシングはビネガーをベースとしたオリジナルドレッシングだ。
これが堪らなく美味い。
いつもドレッシングまで全部食してしまう。
次はは中華風豆腐辛味煮込み。
豆腐にも拘りがある。
この地方には知る人ぞ知る幻の名品がある。
「O山豆腐」と言う逸品だ。
中華調味料も皆、中国から仕入れて来たホンモノだ。
やはり当店の味付けは絶品である。
次はタラバガニと卵のスープ。
上品なシイタケや三陸産ワカメも加えらえた具沢山だ。
控えめに香り高いワケギが添えられている。
出しゃばらず素朴な味付け。
次の小鉢は大豆の昆布煮。
甘過ぎず辛過ぎず、丁度良い味付けだ。
ごはんはヘルシーな五穀米
これに天然塩のごま塩を振る。
シンプルで雑穀がこんなに美味かったかと思い知る。
香の物は新生姜の浅漬け。
上品で後を引く美味さだ。
当店はお茶も拘りがある。
お茶はやはり静岡産が譲れないと言う。
確かに香り、甘さ、キレ申し分無い。

  • 定休日

休みは不定期であるが土曜日が多い。
シェフは研究熱心で、休みには情報収集である。
美味いと噂を聞けば吹っ飛んで行く。
そしてその評価は的確だし、調理法が直ぐに分析出来てしまう。
これとこれをこうして、こう味付けして・・・みたいな。
駅前通りに「Pトーラ」がオープンした時も直ぐに行った。
ここで得た情報が直ぐにメニューに反映された。
同じメニューを試してくれるのだ。
大きな声では言えないが「Pトーラ」より遥かに美味かった。
そんな訳で情報収集・研究の為に定休日は欠かせない。
但し、この街は収集すべき情報が少ないのが悩みのタネらしい。