エジンバラ地区観光の雑感
- 豪華英国風朝食
朝食はブッフェ形式。
だが、ガイドのトモコさんから注意事項が。
コーヒー・紅茶と焼トーストはサーブされる、と言うのである。
ブッフェの料理は豪華そのもの。
ハム・ベーコン・ソーセージの種類も豊富。
スモークサーモン・スモークサバなどもどっさり。
野菜・果物もふんだんにある。
皆さん欲に釣られて皿一杯取って来る。
コーヒーのサーブはあった。
が、焼トーストは出て来る気配が無い。
一同パンお預けのままで、料理だけが進んで行く。
遂に我慢出来なくなったヒトがパン獲得に走る。
パンは逃げないが走る。
小市民もトースター目指して出発。
が結局、間を外した為にもうパンが喰えない。
喰い過ぎなくて良かったかも・・・。
豪華英国風朝食会場での純日本的朝食風景だった。
- 「エジンバラ新市街」
エジンバラは街全体が世界遺産。
新市街と言っても18世紀の作品。
すっばらしくキレイだ。
但し恨みでもあるみたいに晴れない。
何と無く曇りガラス越しみたいな景色だ。
これが如何にもスコットランドらしいのかも知れない。
ゴルフの全英オープンでお馴染みの空模様だ。
お金持ちが住むジョージアンスタイルのテラスハウスが並ぶ。
日本で言う長屋であるが、地下1階地上3階、屋根裏付きの5階建て。
屋根裏は使用人の部屋らしい。
建材は砂岩。
白っぽいのやグレーっぽいのやらいろいろである。
屋根の上に部屋の数だけ煙突があるそうだ。
良く見ると確かにこれでもかと煙突が並んでいる。
凄い部屋数なんだ。
新市街「クイーンズ・ストリート」に広大な公園があった。
周囲を柵で囲ってある。
公園じゃ無かった。
何と、この周辺住民のプライベートガーデンなんだそうだ。
この辺りに家を買うか借りるかすると鍵が2種類付いて来る。
家の鍵とこの庭の鍵だとか。
庭の管理費は年間£100(100ポンド:約22,000円)くらいだそうだ。
ふうううん。
意外に安い。
- 「エジンバラ城」
新市街を回り「ロイヤル・マイル」から「エジンバラ城」へ。
駐車場には立派な観覧席が設置されている。
今夜は有名な「ミリタリー・タトゥー」の前夜祭だ。
スコットランド軍隊行進みたいなモンである。
タイミングが合えばこれを見る事が出来るツアーもあった。
ちょっと残念だが今回は涙を飲む。
夜、ホテルでテレビを見ていたら、前夜祭の模様を写していた。
花火が上がり、なかなか豪華だった。
次回の楽しみだ。
「エジンバラ城」は良く出来ていた。
観光用に良く整備されていて、宮殿や集会場など見どころが一杯。
メアリー・スチュアートがジェームズ6世を生んだ部屋もある。
ナポレオン戦争の捕虜収容所跡などは「カリブの海賊」を思い出した。
大砲も沢山ある。
現役の大砲もあって、毎日13:00に空砲を鳴らす。
何故、13:00か?
スコットランド人はケチなんだそうだ。
13:00なら大砲を1発で済ます事が出来るからだとか・・・。
ホントかね?
我々はどこへ行ってもトイレの場所は絶対に外さない。
どこにあるか必ずチェック済みだ。
城の頂上のトイレは地下にあった。
とても整備されたキレイなトイレだった。
地下の階段を降りる途中、横に幾つかの洞窟があった。
結構広く、ジメジメしている。
入ってみると「ブラック・ディナー」とか書いた看板があった。
何じゃこりゃ?
後で添乗員のトモコさんに聞いてみる。
「あれ?あれは何でもありません」って。
それって答えになって無いよ。
- 「ロイヤル・マイル」
「エジンバラ城」と現役の「ホリールード宮殿」を結ぶ道。
ちょうど1.6km(1マイル)あるんだそうだ。
「旧市街」を貫く道の両側にいろんな店が並ぶ。
どの店も親のカタキみたいに花を飾って競い合っている。
兎に角華やかである。
店先にキルト(チェックのスカートみたいなヤツ)姿のおじさんがいる。
バグパイプの演奏を聞かせてくれる。
如何にもスコットランドらしい。
スコットランドの忠犬ハチ公「ボビー」像にも会った。
犬種はスカイテリアだと言う。
ハチ公よりちょっと小洒落ている。
- ビールランチ
昼食は「ロイヤル・マイル」傍のレストラン。
今回の旅の楽しみの1つは何たってビール。
普通のラガーの他にビター、スタウト、エールなどいろいろある。
銘柄も多種多様。
端から順に飲んでやる!
「ラージ!」とか「ビッグ!」は通じないそうだ。
イギリスのビールの単位はパイント。
1パイントは568mlだそうだ。
多ければハーフパイントもOKだが、何の何の。
早速、ラガーとビターを1パイントずつ購入。
値段はガイドブック情報の3倍、£3(約660円)だった。
高っ!
でも美味かった。
料理の方はサラダ、スコティッシュサーモン、デザートはチーズケーキ。
サラダのドレッシングはバルサミコが効いていたが惜しかった。
味が無い。
スコティッシュサーモンは要するにシャケのムニエルだ。
5cmくらいにカットした豪華なシャケは塩焼きで喰いたかった。
全体としては「ホシ2つです」かな。
予想に反してなんて言うと怒られるかも知れないが・・・。
思ったより不味く無いじゃん。
- 「ホリールード宮殿」
現在もイギリス女王がスコットランド訪問時はここに滞在するそうな。
正に現役の宮殿で今回は周辺を歩くだけ。
宮殿中の観光は次回の楽しみ。
メアリー・スチュアートの風呂小屋が宮殿の外れにポツリ。
何だか愛らしかった。
- 「カールトン・ヒル」
海抜110mの丘。
エジンバラの街が一望出来る。
なかなかの眺望だ。
頂上にパルテノン神殿風の造りかけの建物がある。
ナポレオン戦争で亡くなったスコットランド兵の為に造ったそうだ。
ギリシャのアテネに似せてわざと造りかけにした、
と言う訳では無く金策が尽きて放置されているのだとか。
地元で「エジンバラの恥」と呼ばれているそうだ。
これもスコットランド人はケチと言わしめる所以らしい。
亡くなった兵隊も気の毒だ。
- 「プリンセス・ストリート・ガーデン」
「新市街」「旧市街」を分けるこの公園でフリータイム。
キレイな公園を散策する。
これでもか、と植えられた花々は素晴らしい。
立派な花時計もあった。
惜しい事に空模様は相変わらず抜ける様な曇天だ。
これで太陽の光があったらさぞ輝いて見えるだろう。
ま、それも次回の楽しみだ。
公園内や通り沿いにはベンチが沢山ある。
どのベンチにもプレートが付いている。
全て市民の寄付なんだそうだ。
「メモリアル・○○」とか刻んである。
故人は良くこの場所で日向ぼっこしていた、とか。
故人の想い出をこんな形で残すのも良いかも知れない。
最近、東京都もこの方式を試行しているとか・・・。
ふうううん。
- 「ナショナル・ギャラリー」
天候に左右されない美術館に入る。
立派な美術館だ。
モネ、ゴッホ、ターナー、レンブラント、ベラスケス、ラファエロ・・・。
メジャーな作品が並ぶ。
にも拘わらず無料である。
これがイギリス流なんだろうな。
ロンドンの「大英博物館」も「ナショナルギャラリー」も無料らしい。
ショップやレストランは普通に商売しているが・・・。
館内は係員がきちんと見張っている。
突如寄って来て、ディバッグは手に提げてくれと言う。
なるほど。
もっともである。
絵画も素晴らしかったが、システムに感激した。
- 常習犯の予感
ちょっと残った時間でスーパーへ。
何だかすっごく香りの良い紅茶を見つけた。
種類はアールグレーであるが・・・。
ブランドは知らない。
トワイニングスでもリプトンでも無い。
ま、いっか。
ごそっと買い付ける。
当然、ビールとミネラルウォーターも仕入れた。
周囲の人が奇異な眼で見ている。
観光1日目で何を山ほど買ってんだ、と言う眼である。
大きなお世話なのである。
イギリスと言えば紅茶に決まってらい!
集合時間15分経過。
夫婦1組だけまだ帰って来ない。
こう言うのって常習犯の可能性大だ。
この夫婦、要注意。
- ホテルディナー
今日の夕食はホテルレストラン。
メニューはイギリス定番、ローストビーフ。
前菜はトマトスープ、デザートはアップルパイだった。
イギリスのレストランはバーコーナーが独立している。
これがとても便利。
食事前にとっととビールを買って来て席に着けば良い。
テーブルでビールを待ってイライラしなくて済む。
早速、パイントグラスを片手に席へ。
ここは£2.75(約600円)だった。
安かあ無い。
今回の同伴者はあまり飲むヒトが居ない。
常に前向きなのは、我々と従姉妹同士と言うキャリア女性2人連れくらい。
後は団塊世代と思しきご夫婦のダンナさんがたまに付き合う。
何だか我々が酒乱みたいに思えて来る。
でも、美味かったから、ま、いっか。
添乗員のトモコさんからバスの中でローストビーフの解説があった。
イギリスのローストビーフも2種類有るそうな。
イングランド風は良く見かける薄切り。
スコットランドは「ハイランドキャトル」と言う牛を使うそうだ。
これが茶色の長毛種でスコットランドの特産らしい。
この肉を厚めにスライスして豪快に喰うのがスコティッシュとか。
と言う訳で、今夜のはスコティッシュ。
トマトスープは酸っぱくて美味かった。
ローストビーフは赤ワインソースが何と無く甘い。
醤油をかけて味を直して喰った。
アップルパイは頂けなかった。
しっとりパイ生地にすりおろしリンゴが詰まってるシロモノだった。
スープとパンが高得点で「ホシ2つです」かな。
- 夜の散策
夜は長い。
例のエアース古城の見学に出掛けた。
既に先客が居て、インターホンで呼んでも開けてくれないと言っている。
当然、英語のやり取りが必要だ。
仕方が無い、タドタドしいやり取りを覚悟する。
ほろ酔いの頭を振って意を決し、インターホンを押す。
本館のスタッフが出た。
口を開きかけた横から誰かが機関銃の様にしゃべり出した。
見ると先ほどの遅刻夫婦のダンナだ。
「俺はこの城を見たい。ドアを開けてくれ」
スタッフ「部屋番号は?」
ミスター遅刻「○○番だ」
スタッフ「その部屋はそこの建物じゃ無い。本館だ」
ミスター「そうじゃ無い。見学したいんだ」
スタッフ「もう夜遅い。明日にしてくれ」
聞いてる分には何とか分かる。
いずれにしても諦めざるを得なかったが、少なからずショックな場面だった。
最近は海外勤務のヒトも増えた。
帰国子女も多い。
駅前留学で努力しなくても苦も無く英語が話せるヒトが増えている。
元々、無理矢理の付け焼刃だ。
夢中になっていた頃は、もうちょっと話せたり聞き取れた様な気もするが・・・。
旅先でじーちゃんばーちゃんに感謝された事もあった。
が、随分錆び付いた気がする。
必要は修得の母。
添乗員付きパッケージツアーではほとんど必要性が無くなっちゃった。
老兵は去り行くのみか・・・。
- 古城の後日談
後で聞いた話。
観光からホテルに戻って夕食前に古城を訪れた女性がいた。
この時はすんなり開けてくれたらしい。
その女性は今は使われていない館内を見て回った。
食堂にはナイフ、フォーク、ナプキンがきちんと置かれていた。
元客室らしき部屋を開けてびっくり。
部屋にはパジャマ姿のおじさんが居たそうだ。
要するに古城は現役のホテルだった。
添乗員のトモコさん、やってくれる。
多分、これで客からクレームが付いて、以後開けてくれなくなったのでは・・・。
明日は湖水地方へ移動だ。