「オレオレ詐欺」の雑感

  • ある社員の告白

旧知の同僚から社内メールが来た。
我が家の恥を忍んでお知らせする、とある。
奥様が「オレオレ詐欺」に遭ったと言う。
内容は良く報道されているパターンに似ている。
警察と名乗る男からの電話。
「ご主人が交通事故を起こし妊婦をはねた。緊急手術の為に250万円必要だ」
続いてご主人の泣き声。
「済まん。頼むから大至急カネを振り込んでくれ」
奥様はパニクって子供の積立てを崩して一部を振り込んだとか。
只、幸運にも全額振込み出来ない為、ご主人に確認の電話を入れて発覚。
警察・銀行への緊急連絡でカネも押える事が出来たそうだ。

  • 親切心の教訓

彼はご自身の体験談を教訓にして欲しいとメールをくれたのである。
オレオレ詐欺などテレビ・新聞でイヤと言うほど知っていた。
ところがいざとなると気が動転して冷静な判断が出来なくなってしまう。
必ず、一呼吸置いて対応するべきだと言っていた。
ヒトんちの家庭の事情は分からない。
奥様がどの程度、ご主人の職場環境を知っているかにもよるだろう。
ご主人は仕事でクルマの運転なんか絶対しない。
よほど奥様に愛されているんだろうなあ。

その後、他の人間からもメールが沢山来た。
皆「実はオレも・・・」なのである。
次第にあちこちでメールが飛び交う様になった。
「オレもオレも詐欺」状態である。
中には500万円やられた御仁もいた。
手口は大体共通していて、交通事故やヤーさんに拉致されたとか・・・。
暫しチェーンメール状態が続き、遂には然るべき部署からオフレが出た。
緊急注意勧告みたいな・・・。

  • 素朴な疑問

一番感心するのはみんなお金持ちなんだなあと言う事。
「カネで済む問題」と言う感覚は深く浸透してるんだろうな。
平和ボケと言うか幸せボケと言うか・・・。
払えるカネが有るから払ってる訳だ。
払いたくってもカネが無いウチはどーすんだろ?
例えば我が家みたいな・・・。
「オレだ!大至急250万円振り込んでくれ」
「何バカな事言ってんのよ、貯金なんて100万円しか無いって知ってるじゃない」
「そ、そうだったな。じゃ100万円に負けてもらうから振り込んでくれ」
「どうせ負けてもらうなら50万円にしてもらってよ」
「そ、そうか。交渉してみる・・・。 --- 50万円でも良いって」
「もう一声!20万円でどう?」
「え〜い。幾らでもいいや。持ってけ泥棒!」
なんてこたあ無いか?