世代問題の雑感Ⅲ

  • 海外での想い出

パッケージツアーで旅行に出ると、大概は我々が最年少である。
圧倒的に定年ちょっと前の団塊の世代とリタイア組が多い。
稀に我々と同世代や下の世代も混ざるが、滅多に無い。
当然と言えば当然で、このくらいの世代は子育て真っ只中。
この世代でのんきに海外旅行に出掛けられるのは我々と同じ子供がいない夫婦くらい。
普通は旅行に行けるのは、子供が全部片付いてやれやれの世代である。
必然的に仕事以外で団塊の世代と衣食をともにする機会に恵まれる。
これは結構貴重な体験だと思う。
旅行と言う利害関係が一切無い環境で団塊の世代に接すると、色んな発見がある。
良いにつけ、悪いにつけ、旅の想い出の多くの部分を占める。

  • 想い出の人ベストパースン

想い出の中でベストに属すのは2人。
1人は団塊とポスト団塊の端境期の方で、なかなかの人格者だった。
朝霞市在住のW氏と言う人だが、懐が広く器の大きさを肌で感じる人である。
奥様への配慮、周囲の人への配慮、抜群であった。
小市民が今まで接した人の中でも他に比類が無い人物である。
経営者としての仕事をされている様だが、全くぶった臭いがしない。
一緒に旅したら、兎に角おもろい。楽しめる。
ざっくばらんで、やんちゃで、繊細で、鷹揚で居られる度量の大きさに感服した。
もう1人は団塊の世代の親と一緒に旅行していた20代前半の息子さん。
都内「Tホテル」にお勤めとの事であった。
最初におっと思ったのは、オヤジのタバコポイ捨てをたしなめた時だ。
オヤジも抵抗しなかった。
そこが団塊団塊たる所以であるが・・・。
この息子さんは職業柄もあろうが、兎に角目が行き届いていた。
どっちが親だか子供だか分からないと評判だった。
帰りの空港でゲート集合までフリータイムになった時に、又びっくりした。
搭乗予定便が遅れる事になり、彼はいち早く情報を掴んで駆け回ってくれた。
あちこちで買い物か何かしている同伴メンバーを探してはお知らせしてくれた。
それも爽やかな笑顔で・・・。
小市民は彼を評して「好青年」以外の言葉を知らない。
ホントに良い子だった。
口の悪い同伴メンバーは「トンビが鷹か?」とか言っていたが、正に・・・。

  • 想い出の人ワーストパースン

これは語り始めたらキリが無い。
(余りに多過ぎて・・・)
ワーストは世代に関係無く、年々増えている気がしてならない。
それに旅行に行ける世代が限られているので、団塊の世代が目立つと言う事だろう。
極めつけは1年前のGWに行ったベネルクス3国の時。
詳細はベネルクス旅行記に譲るが、この時はまとめて焼却炉に放り込みたかった。

  • 成長を知らない世代

堺屋太一氏の説に寄れば1980年頃生まれを境に価値観が一変したと言う。
団塊の世代の子供を「団塊ジュニア」で括ってしまうのは危険かも知れない。
ちょっと遅い子供であれば、1980年頃生まれも十分あり得る。
団塊ジュニアの中にも堺屋氏の言う「成長を知らない世代」もいるんだろうな。
先ほどの「Tホテル」勤務の息子さんはこの世代だ。
よくよく周りを見渡してみると、結構思い当たる節がある。
ポスト団塊ジュニアと言うべきか。
ポスト団塊の世代にとっては心強い味方になってくれるかも・・・。
いや、そう思いたい。