イタメシ屋の雑感Ⅱ
- 客層のこと
この街の料理店の勃興は激しい。
大手企業の工場城下町であり、東京のベッドタウンである。
海沿いは昔ながらの避暑別荘地の名残でお金持ちが多い。
いろんな層の人種が寄り集まる街かも知れない。
お店でのマンウォッチングはおもろい。
一番目に付くのはお洒落な若人。
街はどう考えても立派な田舎だと思うのだが、渋谷・原宿から帰って来ました、
みたいなのが結構ウロウロしている。
JR駅前のNOVA繋がりみたいな異人さんグループも見かける。
土地柄、似非も含めてサーファーも沢山居る。
妙にお洒落（なんだろう？）な人が居てもあまり違和感が無いところが凄い。
我々、小市民の実家の街ではきっと指差されて笑われる。
次に目に付くのは明らかな夜の同伴カップル。
中年（多分、団塊）のおじさんとパタパタしゃべる東南アジア系の女性。
ま、ほとんど声がでかくて、タバコばかすか吸って・・・。
本音はあまりご一緒したく無いが、実に良く居る。
それだけお店の経営にとっては、無視出来ない客層なんだろうな・・・。
- 新興勢力
客層が多様である事と、現代の風潮か、新規開店は多い。
以前、触れたイタメシ「Pトゥーラ」が一番の新参かも知れない。
好みは人夫々だが、我々は今は無き「なんや亭」を絶賛している。
値段と味のバランス、趣味嗜好がぴったりだった。
他にもチェーン店とは一線を画したイタメシ専門店も幾つか出来た。
が、「なんや亭」以上の好みの店は出現していなかった。
高くて美味いのは当たり前である。不味かったら怒る。
でも卑しい小市民は新規開店すると、すぐ足を運んでしまう。
ちょっと前に我が家から海寄りに７〜８分歩いたところに「Oスト・Iラ」が出来た。
美味しかった。
かなり本格的イタメシで、お好みの味である。
が、お値段もそれなりで、２回目は訪れていない。
同じ頃にもう一軒、我が家から歩いて２分のところに「Jエル・エ・Nテ」が出来た。
こちらは気になっていたが訪れていなかった店である。
開店直後にオープンサービスランチを企画していた。
どうもこのランチがミソを付けた様で、悪評が広がってしまった。
応対が良く無い、とか品切ればかりだったとか言う噂を聞いた。
オープン当初、フロアスタッフは１人、シェフが１人で調理していたらしい。
後から思うと、能力を超えたキャンペーンを打ってしまったと言う事らしい。
- 今日もテニス
今日も老体に鞭打ってテニスして来た。
ケガは怖いが、ギリギリの線まで身体を追い込んでいる。
今日は、折からの台風６号接近で物凄い風。
強風の中のテニスは結構しんどい。
特に風上は打点に入るのが大変。
あっという間に足がクタクタになる。
当然の事、夕飯の支度なんか出来る訳が無い。
と言う訳で行く先に悩んだ時に「Gエル・エ・Nテ」を思い出した。
- チャレンジ
嫁さんの説は妙に説得力がある。
オープンと同時に悪評が立ち、お店はいつも閑散状態だった。
にも拘わらず、あれから２年以上やっている。
と言う事は根強いファンが居ると言う事ではないか？
ん〜〜ん。説得力ある。
チャレンジしてみるか。
外から覘いてみると先客は１組だけ。
不安に思いながら、チャレンジなんだからしょうがない。
ま、期待し過ぎない様に自分に言い聞かせながらドアを開けた。
- 珍客
お店は半地下。お洒落。
コンクリート打ちっ放しを意識したモダンな造りである。
壁のワインコルクで作った壁掛け細工が目を引く。
でも、たまたまタイミングが悪かった。
先客の１組は、ありがちな夜の同伴カップルだった。
どう見ても団塊世代と思われるサーファーTシャツのおじさんと韓国女性。
もう相当飲んだ後と見えて、タバコぱかぱか日本語パタパタで激論中。
どうやったらあんなにでかい声が出るのか、というくらいの声だ。
生憎、打ちっ放しコンクリートの店内である。
声が反響してビンビン響いている。
普通の声で会話が出来ない。
スタッフ達も戸惑っている。
ま、あれも客だと思えば、何も言えないだろうなあ・・・。
小市民の頭の中は、もう半分以上うんざり。
- 本格イタメシ
怒鳴りつけたい衝動を抑えつつオーダー。
待望の生ビールはエビスだった。美味い。
アンティパストセットと生ハム・パルメザンチーズサラダ、マルゲリータピザを注文。
アンティパストを一口食べてびっくり。
なあ〜〜〜んだ。
美味しいじゃん。
上等な食材、上等なオリーブオイル、ガーリック抑え目、薄味。
我々の好みにぴったしである。
サラダのドレッシングも美味い。
マルゲリータも大きさ、パリパリ感、トマトのフレッシュ感、ばっちりいける。
仕上げはパスタ。
ツナとナスのトマトソース味と、キャベツとアンチョビのペペロンチーノを注文。
美味い。パスタも完璧。
肉・魚料理類は食してしないが、これならきっと美味いと思う。
久々に本格的なイタメシにあり付けた。
流石に料金は安いとは言い難い。
でも、安いチェーン店に２回行くより、ここ１回の方が良いかも・・・。
何だか今日はとってもめっけもんをした様な幸せな日だった。
