花を贈る気持ち

  • 昭和一桁

今日は実家の父親の誕生日。
親もだんだん歳を取って物欲から縁遠くなって来る。
毎年、何か贈りたいが欲しいモノは無いか?と訊く。
決まって欲しいモノなど無いと言う。
昭和一桁生まれにとって、現代の飽食は信じられないらしい。
何でもある。周りはモノで溢れ返り、溺れそうな時代である。
実家はモノを捨てる事が出来ない。
実家には、使えるかどうか別としてモノが溢れている。
そこで、花を贈る事にしている。
それもアレンジメントはNGである。
カゴが山の様に溜まって行く。
楽しんだら全て消えて無くなる切花がベストである。

  • 実家からの電話

花が届いたよ。有難う。
いつもの様に電話が来た。
が、ちょっと様子が変である。
「もらっておいて言い難いんだけど・・・」と始まった。
聞くと、花が萎れてしまって花瓶に活ける事が出来無かったと言う。
しかも5月の母の日に贈った花束は大半がクビが折れていたと言う。
何故、直ぐに教えてくれないのか、と思いつつこれも昭和一桁かなと諦める。
モノを貰っておいてケチをつけ難いのが人情か?
多分、運送業者が原因だろうと思って・・・と言う。
それも含めて花屋の責任なんだ、と言い聞かせる。

  • 花屋のぼやき

クレームを出した。
運送屋の管理も含めて責任がある。
花を贈ると言う事は「一発芸」だと分かっているはずだと責め立てた。
花屋は殊勝であった。
全面的に非を認め、勿論料金は要らないし再度送らせて欲しいと言う。
原因は間違い無く運送業者だと言う。
花のクビが折れるのは、箱を逆さにしたから。
萎れてしまうのは乱暴に扱って水分補給のベースが外れてしまったから。
業者には天地無用で出荷するが、万一ひっくり返したら戻す様徹底しているらしい。
でも全く聞く耳を持っていない様だとか。
最近は業者の質が著しく低下していると言う。
この手のクレームが後を絶たないとぼやいていた。
何と無く、思い当たるなあ・・・。
最近は日本全体の品質が落ちていると聞く。
確かに思い当たるなあ・・・。
やっぱり質と量は反比例するんだ。