中華料理屋の雑感Ⅱ

  • 料理の好み

好みは歳とともに変わる。
勿論、若い頃は好みなんか無かった。
何でも美味しかったし、質より量でもあった。
最近はあぶり出しの様に好みがくっきりして来た。
好みの守備範囲から、まずはみ出る事は無い。
我が家の共通の好みはイタメシと中華。
小市民としては結構、守備範囲は広いと思っているが嫁さんが狭まった。
嫁さんは札幌転勤時代に何故か鮮魚が喰えなくなった。
札幌はめちゃくちゃ美味い鮨屋が多い。
にも拘わらず喰うと当る様になった。
肉類は共通の守備範囲外であり、これに鮮魚が加わった。
更に嫁さんはドンブリ物が苦手である。
結果、双方異存無く行けるのはイタメシと中華になった。

  • 料理屋事情

この街はおもろい。
人口当たり飲食店の数が日本一なんだとか。
確かに「Yの瀧」と言う居酒屋なんかJR駅の周辺に6軒もある。
数がありゃあ良いってモンじゃ無いけど・・・。
どうも圧倒的シェアを占めているのが居酒屋の様だ。
考えてみれば土地柄、大手企業の工場城下町でもある。
公営ギャンブル場もある。
東京のベッドタウンでもあり、昔ながらの避暑地別荘地の面影もある。
JR駅前の商店街も昔ながらの個人商店が軒を連ねている。
大手デパートは受け入れ無かった。
この多様な背景の為かどうか分からないが、料理屋事情は寂しい。
昔ながら、和気藹々、競争知らずなんだろうな。

  • 中華料理屋

この街で店探しは大事業
イタメシ屋と中華料理屋は真剣に探し回った。
ほとんどの店に足を運んだと思う。
この街で中華の情報収集をすると、まず出て来るのが「T菜館」。
JR駅の傍で、多分規模もこの街一番だと思う。
ここは大手交通企業経営で、お値段もそこそこである。
横浜中華街とも遜色無いと思う。値段の話だけであるが・・・。
いろんな人から情報を得て、あちこち足を運んだ。
「R園」「H海」「I狩」「T陸」などなど・・・。
未だにピンと来ない。
どうしてもビール飲みたさにJR駅近辺に偏ってしまう。
その中でも一番買っているのは「I狩」かな。
おかみさんが元気だし、ビールが美味いし、おつまみセットなんかもある。
値段も小市民の味方。
結構サラリーマンで賑わっている。

  • 新規開拓

JRステーションビルに中華料理のニューフェイスがオープン。
前も確か飲茶中心の中華っぽい店だった。
1回行ったきりで、ご無沙汰していたら、いつの間にか消えた。
今度のお店「S」はやはりチェーン店らしい。
メニューを眺めると値段は高からず、高からず。
見たところ店の内装や什器備品もさっぱりしている。
ん〜〜〜ん?
でも郊外中華ファミレス「B」よりは高い料金設定。
ワラをも縋る、では無いがあまり過大な期待をせずにチャレンジ。

  • チャレンジ

まずビール。
ん。美味い。発泡酒では無い。
まず、これは合格である。
料理は如何に?
バンバンジー、かに玉、餃子、五目野菜炒め・・・と注文。
最初はビールのつまみにバンバンジー。
何と!このタレは・・・。
豆板醤がゴマの風味を蹴散らし、一口喰ったら爆発した。
吹き出る汗を拭いながら他のつまみを食す。
口の中がしびれて何を喰ってるのか分からない。
ほどなく突然、レバニラ炒めのレバ抜きが来た。
「これウチじゃ無いよ。オーダー間違いじゃ無いの?」と言った。
「えっ。これ五目野菜炒めですけど・・・。」と言う。
二人で絶句。
イメージは中華丼の具みたいな・・・。
がぜん、嫁さんの機嫌が悪くなった。
しょうが無いのである。
新規開拓にリスクはつき物だ。