イタメシ屋の雑感

今年初めにおしゃれなイタメシ屋「Pトゥーラ」がオープン。
我が家から歩いて3分くらいか。
JR駅前のメインストリートに面し、ロケーションは最高。
潮風の通り道に相応しくオープンカフェになっていて、店は明るい。
従業員も明るく、良く行き届いた教育を感じさせる。
値段もリーズナブルで、凄い人気である。
我が家も開店以来、月に1回くらいのペースで行くが必ず予約を入れる。
店の前にはしょっちゅう待ち人が居るくらい混雑しているので・・・。
何でも聞いた話ではテレビ番組「マネーの虎」に出たらしい。
店長があの番組で買われて資金を得て隣の街に開店。
そこで成功して2店目をこの街に開いたと言うことらしい。
確かに良く気が付く店長である。
朝早くから店の前の道路まで掃除している。
客を絶対に外さない。良く見ている。
時々、少し外して欲しい、と思う事もあるくらいである。

  • イタメシメニュー

メニューは豊富。
アンティパストも少しある。
パスタやピザ、デザートまで充実している。
しかも1品1品がお手頃な値段である。
但し生ビールは大ぶりのグラスで500円。中ジョッキでは無い。
ビール飲みの我々はビール代が一番高く付く。
今のところ、一番のお勧めは水菜とジャコのペペロンチーノ。
全部のメニューを食した訳では無いがこれはいける。
トマトソース系よりお勧めかな。
もっとも個人の好みもあるので何とも言えないが・・・。
それと嫁さんはデザートのクリームブリュレを押している。
多分、コストを抑えてこの価格を実現しているのだと思うが、
ファミレスの様なセントラルキッチンの味を感じさせないところが良い。
コスト、味、従業員、総じて合格じゃ無いかなあ。

  • なんや亭

一昨年前まで我が家のすぐ傍に「なんや亭」と言う店があった。
野菜中心のイタメシ屋で我々は大好きだった。
我々がこの街に引っ越して来て、間も無くこの店がオープン。
ちょっと変わった店構えが気になって飛び込んでみた。
何と小柄な女性がたった一人で店を取り仕切っている。
気さくで、生真面目で、真摯で、何と無く放って置けないムードを醸している。
世間話を繰り返す内に彼女が大阪出身と分かった。
しょっちゅう通っていろんな話をした。
東京の大手ホテルでパティシエをしていた事。
たまたまこの街出身のパートナーと一緒にお店を開く事になった事。
パートナーが開店直前に身体を壊し1人でやらざるを得なくなった事。
思った以上に1人で店を回すのは大変だった事。
毎日、住まいの部屋のカレンダーに客足を書き込んだ事。
バツ印を書き込んで、枕を濡らす日々もあった事。
だんだん口コミで常連客が増え、今度は手が回らなくなって来た事。
そんなこんなで開店から3年、惜しまれながら彼女は店を閉めた。
我が家にとっては大変な痛手だった。

  • お野菜とパスタ

これが「なんや亭」のコピーだった。
メニューはいつも違う。
いつも旬の野菜を活かした料理を考えていた。
アンティパストからパスタ・リゾットまで多種多様。
味は全体的に薄味。
野菜中心で薄味で、我が家の為に在る様なお店だった。
一番のお好みはアンチョビ・オリーブ・トマトのペペロンチーノ。
次がモッツァレラチーズのトマトソーススパゲティだった。
何と言っても秀逸なのはドルチェである。
流石、パティシエと唸らせる素晴らしいデザートが出て来た。
季節の素材に合わせて月替わりメニューだった。
シェフは毎月、このドルチェメニューを決める為に何日も徹夜していた。
その情熱がそのまま味に表れていた。
兎に角、残念である。

  • ドマーニ

JRの駅ビルに「ドマーニ」と言うイタメシ屋があった。
これもほぼ同じ頃にオープン。
東京を中心としたチェーン店だと言う。
こちらも何回も通った。
味は結構、濃い目だったがそこそこ。
何より本格的メニューが揃っていて満足度が高かった。
冷製アンティパストも充実していた。
店名を冠したハウスワインも美味しかった。
なんや亭と双璧であったが、なんや亭が口コミで広がってからはこちらが増えた。
なん亭は店が満員になったらパニックである。
アルバイトの女の子を入れても調理が追いつかない。
最初はビール飲みながら待ってるからゆっくりやってよ、とか言っていた。
でも、すきっ腹でビールばっかりガブガブ飲んでると出来上がってしまうのである。
混み始めてからは、何度か店の前を素通りしてドマーニに行った。
こちらはキャパが違う。
何時行ってもOKの安心感があった。
ところがなんや亭の閉店と前後して、突然店を閉めた。
何でも東京の本店が倒産したとか。
この街のお店は相当な黒字だったらしいが、引きずられた。
我が家は両腕をもがれた。

  • 老舗

この街には昔から地元に根付いているイタメシ屋が2軒ある。
「I館」と「Sサ」である。
残念ながら両方とも我が家の好みから微妙にはずれている。
「I館」は、言い方は悪いが老舗の驕りを感じる。
値段も立派である。
客層は良い。
この辺りのお金持ちが外車で乗り付けていつも混雑している。
ジモティの間でもやっぱり「I館」だよねえ・・・と言う声を良く聞く。
どうも聞いていると首が傾く。
ホントに味が分かってるのか、と思わないでも無い。
「Sサ」も評判が良い老舗である。
こちらはめちゃくちゃ高い訳では無い。
3回ほど行ったが、ん〜〜〜〜〜ん。
それでもジモティの老夫婦や家族連れに人気がある。
やはり需要が無ければ供給は生まれない。
客が満足気であれば、それ以上の努力をしないのは人情だ。

  • 新興イタメシ屋

最近はお手軽なイタメシ屋開店が後を絶たない。
同時にそこそこ修行を積んだシェフが開く店も結構多い。
閉店も多い。
チェーン店の先駆け「カプリチョーザ」も閉店した。
「ラパウザ」「ハーティパーティ」「オリーブハウス」「イタリアントマト」・・・。
過当競争気味だ。
どれもこれも、もう一度行くには度胸がいる。
ああ、「なんや亭」が懐かしい。
復活してくれないかな。