アンコールワットの総括

  • 知足

アンコール遺跡云々より前に考えさせられた。
如何に我々が恵まれた環境にいるか。
如何に恵まれた国で、恵まれたタイミングで生まれたか。
日本が恵まれてるったって、もう20年早く生まれていたら戦争に遭った。
あと50年も後だったら又、戦争してるかも。
ボケと言われ様が何だろうが、一番ラッキーな時代だ。
今回のツアーは自分の生活環境を再認識させられた。
何一つ不自由の無い生活。
物価が高いとか、景気がどうだとか、言えない言えない。
雇用の不満、社会の不満、政治の不満、言えない言えない。
足るを知る。
改めて実感した。
そう言う意味でも、多くの日本人が足を運んだ方が良いと思う。

  • バランス

一時期、中国は20年前の日本と似てると言われた。
もう現在は凄いスピードで成長しているらしいが、何事もバランスが大事だと思う。
中国はバブリーな成長で貧富格差が広がり、環境破壊が進んでいるとか。
日本も同じだったけど。
今回のカンボジアでも思った。
貧富格差の拡大と無意識の環境破壊。
バランスが悪いのは罪だ。
日本でも上下水道・電気も不十分で燃料はマキと言う時代があった。
そんなに大昔の事では無い。
でもバランスが良かったと思う。
社会全体が不十分なインフラでも助け合って暮らしてた様な。
科学技術はアンバランスを生む。
バランスを欠くと拝金主義・物質主義だけが先行する。
シェムリアップと言う限定された場所しか見ていないが、
田舎の何も無い貧しい暮らしの人の方が良い顔してた。
観光に携わって豊かになった街の人は日本人と同じ顔だ。

  • ゴミ

どこに行っても気になった。
街中、遺跡群、トンレサップ湖、凄いゴミである。
大半は色とりどりのビニール袋など。
いつまで経っても消えて無くならない。
一応は観光地なので、一斉清掃などをしていると言う。
とても追いつく訳が無い。
見ていると老若男女ゴミを処分すると言う感覚は無さそうだ。
何でもポンポン捨てて歩く。
清掃より学校教育・子供の躾から始めた方が早いと思う。
今の日本では言えた義理では無いが・・・。
日本はこの20年くらいで凄く汚くなった、ゴミが増えたと外から見えてるそうだ。
納得するなあ。

  • アンコール遺跡群

この国にアンコールワットが無かったらどうなっていたか?
ガイドのブンさん曰く、国が無くなっていたかも知れないとか。
現在も、タイやベトナムの国境線は不安定で衝突もあるらしい。
処理されていない地雷も数限りなく、開発の妨げになっている。
タイ・ベトナムの国境線はじわじわと内部に移動していると言う。
いつの間にか国が縮小しているのだとか。
アンコール遺跡群により世界から注目が集まって救われた。
援助もある。
資源開発も始まった。石油も見つかったらしい。
でも、遺跡の荒廃と経済成長とどちらのスピードの方が早いだろう?
早めに見て来た方が良い、と言う人の気持ちは何と無く分かる。

あちこちの国に世界文化遺産がある。
お国柄もある。
捉え方も全然違う様だ。
自国の観光資源としての看板だったり。
破壊から守る為のお墨付きだったり。
純粋に保護目的もあろう。
アンコール遺跡群はどうだろう?
保護目的は間違い無い。が他国任せの観あり。
やはり主目的は看板かな。
でも総合的に判断しても価値ある遺跡だと思う。
何をおいても必見だと思う。
このスケール、精緻なレリーフは見応え十分。
まだの方は絶対に早めに足を運ぶ方が良いと思う。