アンデルマット〜ツェルマット

  • アンデルマットへ

今日もゆったりスタート。
朝食はブッフェ。
どうしても我々菜食動物には葉っぱが不足だ。
ガイドのメグミさん曰く、欧州ではサラダは肉の付け合せ。
別にケチってる訳じゃ無いが、朝食で出て来る事はまず無いとか。
どこかで葉っぱ買お。
途中、トイレ休憩で氷河特急発見。
何もそこまで、と思う様な山間を縫って走っている。
アンデルマットは小さな田舎街。
昼食がてら街を散策する。
家々に花が飾られてもの凄くキレイだ。
流石、世界の公園と言われる国だと思う。
が、天気がイマイチ。雨交じりである。

昼食はラクレット
溶かしチーズをジャガイモにからめて食べる。
分かりやすいと言うかシンプルこの上無い。
勿論、ビール注文。
500mlで5SF(約500円)。これが相場かな。
ラクレットはお代わりもOKだったので、腹一杯喰った。
聞いた話ではチーズとビールの相性は良く無いそうだ。
胃の中でチーズが固まってしまうらしい。
かつて救急車で運ばれた観光客がいたとか・・・。
ちょっと不安。

憧れの氷河特急
事前に座席の案内がある。
ツェルマットに向かって右側に座ると良いそうだ。
途中、ブリーク駅でスイッチバックして進行方向左側に変わる。
ここに座れば、ツェルマット到着直前でマッターホルンが見えるとか。
メグミさんの説明を聞きながら思った。
そんなん、ツェルマットに行けば嫌ってほど見れるっしょ。
マッターホルンを甘く見ていた。

  • ラントヴァッサー橋

勉強不足の小市民は有名な石橋を通ると思い込んでいた。
あのラントヴァッサー橋はサンモリッツから乗らなきゃダメなのだ。
知らんかった。
氷河特急のパンフレットには必ず出てる。
氷河特急とあのとんでも無く高い石橋はセットで頭に焼き付いてた。
JAROに訴えてやる、と思ったがここはスイスだ。

  • ツェルマット

だんだん近づくにつれて山の良いムードに。
ツェルマットはクルマ乗り入れ禁止。
1つ手前のテッシュ駅でクルマを降りなきゃいけない。
山の中に小屋の様な家がポツリポツリ。
屋根は平べったい石で葺いてある。
ラッキーな事に車窓から「マーモット」を見掛けた。
イヌでもネコでも無い。
ネズミの仲間でと言うが、ずっと可愛い。
多分、間違い無い。
ほどなくツェルマットに到着。
結局、曇っていてマッターホルンは見えなかった。
天気がイマイチである。
電車を降りてびっくり。
おっそろしくキレイな街だ。
何だかディズニーランドか何かの作り物かと思うくらい。
ウッディな家々に花があふれている。

いかにもと言うホテルだ。
駅前徒歩1分。
メインストリート沿い。
木材をふんだんに使った重厚な造りで素晴らしい。
窓の外は2階のルーフガーデンに繋がっている。
専用庭みたいなもんである。ラッキー。
ルーフガーデンに出てみると花が一杯詰まったワゴンが置いてある。
おっ洒落である。
後は天気さえ回復すれば・・・。

  • 環境保護

お国柄と言うか、観光資源の為と言うか環境意識は相当高いそうだ。
スイスには原発が無い。
原発を導入するか否かで国民投票があったそうだ。
結果、国民の総意で原発を拒否。
不足分はフランスなど近隣の国から買っている。
従って電気料は高いらしい。
でも高くても国民は環境保護を選んだと言う事だ。
欧州には同じ形態の国が数カ国あるらしい。
政治家と産業界の利権の為に原発が造られる国とはえらい違いだ。
ホテルも環境保護に注力しているらしい。
使い捨ての石鹸やシャンプーは止めて、ボトルタイプに。
タオルも連泊の場合は連続使用を依頼するとか。
その徹底ぶりは大したモノだ。

夕食はちょっと離れたレストラン。
ホテルを出て、街中を散策しながらレストランへ。
途中、マッターホルンが見えた。
が、クリアでは無い。
雲がまとわり付いている。
ま、その内キレイに見えるだろう、と甘く見ていた。

  • 異常気象

街中を流れる川はもの凄い濁流である。
橋を渡っていても橋ごと流されそうで怖い。
異常な熱波で氷河がどんどん溶けているんだそうだ。
テレビでCNNを見ていてもこのネタばかりだ。
欧州で100ヶ所以上の山火事が起きている。
フランスで熱波の為に3,000人が死亡したそうだ。
夏休みに入り霊安所が足りなくなっている、とか。

  • ミートフォンデュ

今日の夕食はミートフォンデュ。
ガイドのメグミさん曰く、チーズフォンデュは3つぶ喰ったら飽きる。
まだミートの方がモタつかないとの事。
既にビールを飲んで来たので赤ワインを注文。
グラスワインで7SF(約700円)。高え〜。
メニューはいつもの野菜の千切りサラダとミートフォンデュ。
小市民は超ネコジタである。
鉄串に刺して煮た肉は暫く喰えない。
時間が掛かっている割には大した量は喰って無い。
何と無く腹一杯になった様な、喰った気がしない様な・・・。
ま、話のタネである。

  • スイススタンダード

と言う言葉があるそうだ。
欧州では常識らしい。
経済的な高レベルもさる事ながら、文化的高レベルの事だとか。
社会的インフラ、教育、国民モラルなどは周辺国の憧れらしい。
我々見たところではフランスっぽさを強く感じた。
ドイツ、イタリアにも囲まれているがちょっと違う。
スイスは貧しかったが故にいち早く永世中立国を宣言した。
ま、それも究極のユニラテラリズムとも言えなくも無いが・・・。

  • 躾け

子供の躾けは大変に厳しいらしい。
社会との繋がりも子供の頃からきっちり教えられるそうだ。
21:00以後に起きている子供などいないとか。
学校は朝、7:30から。
金銭感覚の教育も厳しく子供にはまずカネを持たせないそうだ。
10歳にもなると子供は当然の様に近所のベビーシッターをするとか。
1時間100円程度のバイト代を得て、初めてカネを持つ。
大変、きちっとした金銭感覚が身に付くそうだ。

  • 軍備

元々、傭兵の国である。
現在も国民皆兵制で、18歳以上は全員に兵役がある。
振るってるのは、兵役が終わってから。
服務後は鉄砲など装備一式を家に持ち帰る義務があるとか。
有事の際はすぐに駆り出されると言う事だ。
と言う事はどこの家にも鉄砲があると言う事になる。
アメリカと同じ環境なのに、治安が悪いとは聞かない。
これが民力、国民モラルの違いなんだろう。

  • ライフスタイル。

スイスに残業なんて概念は無いそうだ。
おもろいのは工事現場である。
クレーンが荷物を吊ったまま止めてある。
時間が来た瞬間に作業を止めてとっとと帰ったと言う事らしい。
定時で帰って家族で夕食を摂るのが当たり前。
たまには家に帰る前に飲み行く事もあるそうだ。
でもサラリーマンが仕事帰りに居酒屋でクダ巻いてる図とは違う。
酒を飲む店はショットバーくらい。
ちょっと引っ掛けて帰っても、やはり家族で夕食が当たり前。
夏は日が長い。
友人や家族で庭でバーベキューと言うのが良くある図らしい。
週末や夏休みはリゾート用セカンドハウス(キャビン)に移動。
リゾートの感覚は欧州共通だ。

  • 日本車と日本感

勿論、スイス人は極東の島国なんか良くは知らない。
日本と聞いてすぐ連想出来るのはスバルだそうだ。
流石、山の国スイスでは4WDの雄、スバルは神格化されているらしい。
兎に角故障しないので評判が良いそうだ。
何しろ夏にエアコンが使えると言う事で有名らしい。
確かに良く見掛ける。
日本を知るスイス人は多く無いが、その日本感は強烈らしい。
スイス人に限らず日本を訪れた印象はショッキングらしいが・・・。
彼らに言わせると日本人は宇宙人らしい。
日本のインフラ・システム・従順な人の動きは信じ難いらしい。
1分も狂わずに到着する電車、整列して乗車する人。
ラテンの方にはクレージーとしか見えないそうだ。
ま、確かに・・・。

  • スーパーマーケット

長期滞在の方もいるのだろう。
スーパーの食品売場は充実している。
待望の野菜も豊富、日本食も結構ある。
如何にこの辺りが日本人に人気があるか、窺がえる。
明日は午後からフリータイム。
天気が良かったらクラインマッターホルンを狙いたい。
早速、部屋でおにぎり作りだ。
きっと明日はクリアなマッターホルンが・・・。