ライン川クルーズの雑感

最終日、ライン川クルーズ。
クルーズ船そのものはマインツ〜ケルン間200kmで営業。
その他にも豪華客船で宿泊しながらのクルーズもあるそうだ。
優雅である。
乗船までに少し時間があり、「つぐみ横丁」を散策。
ホントの名前は何て言うんだろう?
と思いつつ確かめるのを忘れた。
記憶の中に有り得ない日本語名が焼きついてしまった。
生憎、小雨模様だったが小洒落た店の並ぶキレイな街並みだった。

  • 夫婦2人旅

船乗り場のすぐ横が鉄道駅だった。
船を待っていたら目の前の駅にに汽車が停まった。
汽車から年配の日本人ご夫婦が降りて来た。
夫々大きなスーツケースを持っている。
船乗り場に来たので、どちらから?と声を掛ける。
いや、実は・・・と聞いてびっくり。
ご主人が3月末で定年退職し、満を持して旅立ったそうだ。
スケジュール表無し。
地図とガイドブックとパソコンが頼りだと言う。
気に入れば何日か留まるし、その日その日でスケジュールを決める。
ドイツの前はチェコに居たそうだ。
今日はたまたま我々が待っていた船に乗る為に汽車でここに。
偶然って凄い。
語学が堪能と言うほどでも無いと言う。
でも何とかなってるそうだ。
自分が定年退職して同じ事が出来るかなあ・・・?
ご夫婦は周囲の羨望と尊敬の的だった。

  • クルーズ船

我々はリューデスハイムからザンクトゴアハイゼンまで乗船。
ローレライや古城が集まる人気コースらしい。
ご夫婦はケルンまで行くらしい。
良いなあ・・・。
ケルンの大聖堂は死ぬ前に一回見ておきたい1つだ。
クルーズ船の大きさは来てみないと分からないらしい。
レストランの整備された大型船からぐっとコンパクトなのもあるとか。
我々が乗船したのは大きかった。
レストランも大きく、早速窓際の席を陣取った。
天気はイマイチだが、古城が点在する美しい景色が流れる。

  • レストラン

結構大きなレストランだがフロアスタッフはおばはん1人。
ドイツ人にしては日焼けし過ぎ。
髪の毛もパーマかけ過ぎ。
早速、ビール注文。
まだ昼食時間にはちょっと前。
我々は船を降りてから遅めの昼食の予定になっていた。
周りを見てもほとんどの客が飲み物だ。
小市民には秘密兵器があった。
昨晩、カナエさんと最後の晩餐をした為、ビールが残っちゃった。
手元のリュックには瓶ビールが4本。
それに今朝カナエさんが昨晩のお礼とか言ってくれたチョコレート。
大荷物なのである。
ビールを半分グラスに注いで乾杯。
昼からガンガンである。
コソコソと手持ちのビールを足し、結局全部飲んだ。
船を降りる頃にはフラフラ。
黒いおばはんに代金を払う。
おばはんあっちこっちの精算に忙しい。
お釣りを思いっきり間違える。
小市民は酔っ払いだが間違いに気づく。
おばはん「ガッハッハ」と笑って済ます。
笑って済むのである。

  • ザンクトゴアハウゼン

我々はここで下船。
先ほどの日本人ご夫婦に別れを告げる。
どーでも良いがドイツ語の名前ってやたら凄い。
獲って喰われそうな名前だ。
でもどこへ行っても小ギレイでさっぱりしている。
何と無く好きだなあ。

  • ヘンなヒトビトⅣ

昼食はライン河畔のレストラン。
日本人の夫婦が経営していた。
料理はちゃんとしたドイツ料理だった。
酸っぱめのサラダ、ポテトやマメなどが大皿で出て来た。
流石に飲み過ぎ状態でビールは止めた。
でも、この時は大失敗した。
酔っ払っていて出遅れた。
席が8人のテーブルにしか残っていない。
その内半分に例のバカ女トリオが陣取っていた。
しまった!
折角今までずっと巧妙に避け続けたのに、最後になって・・・。
しかもよりによって取り分け方式は最悪だ。
案の定、大皿が出されると早く回せと騒いでいる。
ちょっと周りを見渡せば、4人に一皿で出ているのは明白。
これが見えないのである。
要するに隣の4人に出された皿をよこせと言っている訳だ。
誰も食い物でゴチャゴチャしたく無い。
憮然とした表情で皿を回す。
次に自分達の前に同じ皿がサーブされて来る。
我々の前には無くなってる。
それでも分からない。
「料理が足りないんじゃ無いの?」
「添乗員さん、追加してよ」とか言ってる。
だんだんムカムカしてくる。
又、次の料理が出て来た時に早く回せと言う。
遂に温厚(?)な嫁さんがキレた。
「そんなにガツガツしなくても、夫々に来ますよ」と一言。
慌てた小市民が嫁さんを制す。
今度は我々が険悪なムードになってしまった。
もう何を食べたか分からない。
当の本人達はカエルのツラにションベンである。
そしてバカ女達の前には沢山の料理が残されていた。
我々の旅行史上、最低最悪の食事だった。
(レストランが悪いんじゃ無いけど・・・)

早々にレストランを出た。
ムカツキが収まらない。
嫁さんも完璧にブンむくれている。
気持ちが落ち着くまでにちょっと時間が掛かる。
先ほど船の中から見たローレライを山の上から見た。
ちょっとした展望台になっていてライン川が良く見える。
なかなか雄大な景色だ。
この景色を眺めつつ鎮静化。

  • フランクフルトへ

観光の全日程を終了。
後は一路フランクフルト空港へ。
バスの車中、ガイドのカナエさんが得意の雑学を披露。
まずはドイツ人の食生活。
質実剛健だ。
粗食で質より量を重視。
単品を大量に喰って腹を満たす性質だとか。
主食はイモ。どこんちも大量にストックしてるそうだ。
一般人のドイツパンは黒くて重い。
白いパンは貴族の象徴なんだそうだ。
今の時期はホワイトアスパラが旬。
ゆでてバターソースにパセリをまぶして喰うとたまらないそうだ。
菓子は何と言ってもプレッツェル。
単純な塩味はビールに良く合う。
これは知ってた。しっかり土産に買って来た。
次はシモの話。
中世ヨーロッパ全体が同じ事に悩んでいた話。
何故石畳が発達したか?
元々は土の道路だったらしい。
街中では各家が窓から糞尿を道路に投げ捨てていた。
ある時王が街を視察して余りの臭さに対策を命じたとか。
結果考え出されたのが石畳。
それも道路中央を溝にしたV字型の構造にした。
汚物が石のすき間を流れると言う訳だ。
でも臭いのは一緒じゃないのかな?
後は暮らしぶりの話。
一般家庭でエアコンはほとんど無い。
ま、要らない。
ホテルも無いところが多い。
網戸も無い。
その代わり窓際にはゼラニウムを植えて虫を除ける。
勿論、バカンス大好き。
夏休みは他国同様3週間〜1ヶ月。
ユースホステル発祥の地だそうだ。
元々は若者に自炊生活をさせる教育の場として発したそうだ。
ドイツ人は大の旅行好き。
結構団体ツアーも多いそうだ。
そう言われてみれば、ヨーロッパ中でベンツバスを見掛ける。
白い巨体のお年寄りが多い様な気がする。
ドイツにはカジノもあるそうだ。
外国人専用で、国民は禁止だとか。
いかにも・・・。

  • フランクフルト空港

そうこうしている内に空港へ。
空港のゴミ箱に感激する。
なかなか徹底した分別だ。
国が本気だと言う事と、国民の意識だろうな。
今回は考えさせられる事が多い旅だった。
飛行機の中でゆっくり整理しよう。
21:05発JL-408便で帰国だ。