ハノイの夜のこと(2)【1/5】

  • インフレ

 「イェンさん」がインフレを嘆いてた。
この数年で物価は倍以上になったという。
市民が毎朝食べる屋台の「フォー」は5,000ドン(約40円)だった。
それが今は10,000ドン(約80円)以上だとか。
ちょとひどいと言ってた。
 大卒の初任給が$300(約36,000円)っくらいだという。
学卒じゃなきゃ、もっと安いんだべな。
そーゆー経済なのに、$1のチップは異常だべや。
ジモティには罪だんべ。
何の苦もなく、$1(約120円)が手に入っちゃう。
「フォー」1杯より高いんである。
 そりゃ、感覚が狂う。
ホテルのポーターが必死になる訳だ。
我々のグループだけでざっと20ヶの荷物がある。
これを運べば、$20である。
給料なんかよりチップの方がず〜っと多い。
まともに働く気がなくなっちゃうべな・・・。

  • 「水上人形劇」

 「すいぞーにぎょう」は劇場の中でやってた。
勝手なイメージは、屋外だったんだけど・・・。
開演時間に合わせて、続々ヒトが集まってくる。
観客席前方は圧倒的に日本人ツアー客が占領してる。
大したモンである。
 何故か、入り口で扇子を配ってる。
「お土産ね」
ホントの手作りで、「水上人形劇」のデザイン。
不ぞろいで、良く言えば味わいがある。
これを作ったヒトの人件費が想像がついちゃう・・・。
 チラシによると、料金は$2.5(約300円)。
感覚的は安い。
較べたら、カメラの持ち込み料が$1(約120円)は高っけ〜。
「イェンさん」の言う通り、もったいない。
ホテルのポーターのチップが法外に思えてきた。

【教訓】 カメラは小型にかぎる

  • ワザ

 「人形劇」はなかなか面白かった。
もちろん、言葉は全然わかんない。
でも、パンフレットにタイトルと簡単な解説が書いてある。
言葉がわかんなくても十分楽しめる。
 ストーリーは単純明快。
田植えするヒトや、カエルやらヘビやらも登場。
人形の動きはなかなかである。
サカナや竜のリアルな動き、ヒトのとぼけた動き・・・。
これは熟練が必要だべな。
 最後に、人形使いが勢揃いする。
その時、人形がいかにでかかったかわかった。
人形は7〜80cmはあるべ。
あれを竿の先につけて、微妙な動きをさせるんである。
大したワザである。
これで300円じゃ申し訳ないなあ・・・。

  • 低品質

 「人形劇」は面白かった。
かなりの「高品質」だった。
同時に、ニンゲンの「低品質」を見せつけられた。
それも万国共通だと痛感した。
 決して広い劇場じゃない。
座席は奥から詰めて座らないとどーしようもない。
我々が奥から順に座り終えたあと、「Tラピッコ」一同が到着。
我々の前の一列である。
 観てるといろいろ面白い。
ゾロゾロと奥に進んで来たかと思うと、詰めないヒトがいる。
「ここ、連れが来ますから・・・」
っとか言って席を空けてしまう。
その後、連れがその席まで入って行くのは至難のワザ。
バッカだねえ・・・」
ヒソヒソ声が聞こえてくる。
 質の悪い毛唐もいた。
しかも、我々のすぐ後ろの席に・・・。
訳のわかんないガキ連れの毛唐だった。
ガキは人形劇にすぐに飽きて、前の席を蹴飛ばしてる。
要するに我々の背もたれである。
 何度も振り返って、ガキと親の毛唐を睨んだ。
でも、両方とも動じない。
相変わらず、バカスカ席を蹴ってる。
「鬱陶しいな、このガキはっ!」
日本語は通じないけど、意味はわかるはずだべやっ!
ニンゲンの質の低下は万国共通なんだべな。

  • 晩餐

 ベトナムでもMHKが見られる。
”MHKワールド”っとか言って、2時間早くやってる。
これはある面、助かる。
日本に帰った時に、社会復帰が容易である。
反面、非日常に入り難い。
 いつもの通り、風呂上りの晩餐。
日本から持って来た「アサヒ・スーパードライ」で乾杯。
つまみもどっさり持って来てある。
我が家のスーツケースが重いのはこいつの所為だ。
ビールが3kg、ミネラルウォーターが2kg。
5kgだもんなあ・・・。
 でも、持ってくる価値は十分ある。
何だ、かんだ、これに勝るビールは無いっ!
「っかあ〜っ、ちっくしょ〜っ」
って言える幸せ・・・。
 週末の日本は大荒れだと言ってる。
仕事始めに大変だあねえ・・・。
ま、ニッポンの勤労者諸君、頑張っちくれい!
明日はハノイ市内観光だ。