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癌スケ退治 初日

・カウントダウン
いよいよだ。
素晴らしい天気になった。
いつもの通り、日の出前から起きてる。
「どうせ、この後沢山眠れるし…。」

実は、今日はまおの命日。
ちょうど10年前の今日、まおは星になった。
「頼むぜ、まお!そらの為にも…。」

オペは、9:15から。
部屋を出るのは9:05とか言ってた。
その前に、身辺整理。

まずは、シャワー。
これからしばらくは使えない。
髭剃りも同じだべ。
鼻をかむのは、これが最後。
匂いを嗅ぐのも同じ。
「長い間、世話になったな…。」

荷物も片付ける。
オペ後、この部屋に戻るかどうか不明。
なのでオペの間、病棟で預かってくれるとか。
7:40頃、ご一行様到着。
「うわっ、早えーな。」
両親、兄弟、連れ合い、大軍団だった。
「うわっ、すげーな。」
でも、とりあえず心強かった。
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〈そら〉

・最後の会話
狭い部屋に大軍団。
ひしめき合ってワイワイガヤガヤ。
いろんな話が出た。
みんな、必死にしゃべる。
「そんな話、知らないけど…。」
「えーっ!それって聞いてねえぞー。」
この際だと思って、思わぬ話までしちゃう。
って事もあるけど、普段そんなに疎遠な訳じゃにゃあ。
「顔は見てても、如何に大事な話をしてないか、良くわかるで。」

ある面、新鮮だった。
次男坊が蕎麦アレルギーで倒れ、親族を呼べ!ってな騒ぎがあった。
「えーっ!」
三男坊が頭頸部腫瘍で癌センターに入院、オペしてた。
「何だよ、それ?」
ま、何にせよ意思の疎通が出来た。

次男坊の嫁さんから提案。
「円陣、組もうよ!お義兄さんにパワーを送ろうよ!」
狭い部屋の中に円陣が出来た。
顔を出そうとした看護師さんが引いてる。
「身内って、有難いなー!」

・顔見世
今日の役者が続々登場。
いきなり教授が来た。
「O上です。初日にお会いしましたね。今日は宜しくお願いします。」
恐れ多い。
今日の日の、起点の先生。
セカンドオピニオンを伺った…。
ま、ファーストも、セカンドもにゃあけど…。

続いて、Dr.E本登場。
「ご気分は如何ですか?ちょっと拝見しますね。」
クビのコブを触診。
「ふんふん、やっぱちょっと大きくなったかな…?」
あのね!
最初に町の耳鼻科に駆け込んでから6週間。
この病院に来てから3週間。
「そりゃ、でかくもなるベーじゃ!」

あと、チームの先生方。
一番お世話になる看護師さんたち。
ん?
1人だけ、顔見てないなー。
メス入れられるのになー。
「市松模様の不安…。」
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〈点滴開始〉

・まな板
手術着に着替えた。
何てこたあない。
スッポンポンに、バスロブみたいな…。
次に点滴が繋がった。
「何となく、病人になったような気分。」
もう、まな板の上。
どーしようもにゃあ。

やがて、お時間です。
専用エレベーターで、中央手術室へ。
エレベーター前で、みんなとハイタッチ。
「あと、宜しく頼んだよー!」

 手術室は、恐ろしく広い。
見慣れない機材がびっしり。
コイは手術台に。
点滴に麻酔薬が入って、10秒もかからない。
ブラックアウト。

当然、後の事はわかんない。
後から聞いた話。
手術は、8時間半かかったそうな。
何でも外科が手こずって、時間が伸びたとか。
「やっぱし…。」

終わった瞬間、大軍団一同、号泣。
まずは、命が繋がった。
って事なんだべな。
先生から、手術内容の説明を受けた。
切り取られた癌スケも見たそうな。
「癌スケは、顔見たかったなー!」

コイは、ICUへ。
大軍団は、遅い晩メシに。
自宅の近所の「パットーラ」 に行ったそうな。
馬のごとく、喰いまくったそうな。

朝早くから、ご苦労様でした。
有難たかった。
とっても心強かった。