小市民のパラオ旅行記

・ロックアイランド
快晴。
最高の観光日より。
思ったより、気温は高くない。
でもやっぱ、南国。
光の濃さが違う。
日射しは容赦ない。
「油断すると、めちゃ日焼けすんで。」
ツアー初日は、ロックアイランド。
世界遺産
ボートをチャーターして、一日観光。
「楽しみだで。」

 宿泊は、パレイシアホテル。
かつてはそこそこのグレードだったらしい。
今は大陸に買われた。
ここだけじゃない。
パラオのホテルは次々と買収されてるとか。
「恐るべし、コロパワー!」
当然、観光客も多い。
「何を観に来るんだべ?」
やっぱ、マリンスポーツらしい。
海底の零戦に、赤旗をつけたそうな‥‥。

 ホテルロビーに集合。
現地旅行者社「ベラウツアー」が対応。
「ベラウ」は、パラオの現地語だそうな。
担当は「一戸孝司」氏。
大阪出身の元ダイバー。
「コージと呼んで下さい。3日間宜しくお願いします。」
なかなかのキレ者だった。
現地人スタッフにも信頼感抜群。
社長、兼小使いだって。
天皇陛下ご訪問の時も、彼がアレンジ。
「やっぱし‥‥。」
宮内庁とのいろんな裏話が面白かった。

・無人島
 ツアー出発。
ボートは、ロイヤルリゾートホテルから出港。
結構なパワーボートだった。
ちゃんと掴まってないと、飛ばされる。
風もすごい。
帽子とか、飛んでっちゃう。
波を飛び越えて突進。
「こりゃ、ケツが痛えなー。」
当然、波もかぶる。
「確かに、濡れてもいい軽装って書いてあったで。」

 最初の目的地に到着。
「NGEREMDIU(ンゲレムディウビーチ)」。
「読めるか!んなもん!」
無人島。
当然、桟橋もない。
腰まで海に浸かって上陸。
海水が生暖かい。
気温と、水温の差がない。
「何か、気持ちいいかも‥‥。」

 無人島観光。
コージさんの案内で、ジャングル散策。
ヤシが山のようにある。
どれも逞しく芽を吹いてる。
ホントにまんま。
「これは、このまま残して欲しいね。」
幾つかの見処を巡る。
古代人(?)の井戸の跡。
帝国陸軍の道標。
砂浜に埋もれた「彗星」の残骸。
「ホントにここは戦場だったんだ‥‥。」

ミルキーウェイ
 次に向かったのがここ。
ちょー有名どころ、ミルキーウェイ
観光スポットとしては必須。
沢山のボートが来てた。
スタッフが潜って、海底の泥を採ってくる。
これが真っ白。
しかも、とっても木目が細かい。
これを身体中にパック。
笑える!
「肌にいいとは思えにゃあけど‥‥。」

 他のボートの衆はやってる。
大分、盛り上がってる。
「そりゃ、泥は魅力だべさ。」
早速、我々も‥‥。
「あり‥‥?」
イマイチ乗りが悪い。
団塊組は遠慮すると言う。
ま、いっか。
我が家は全身パック。
そして、そのままダイビング。
「あー、面白れえっ!気持ちいい~~っ!」

 楽しいっ!
理屈抜きで面白いっ!
「こんな事する機会は、ちょっとにゃあで。」
ミルキーウェイ
ここは、ちょっとした湾になってる。
どーゆー加減かわかんない。
けど、ここに珊瑚の粒子が堆積したそうな。
古代の珊瑚だとか。
由緒あるんである。
「どおりで、泥がちょっと臭かったもん」

ロングビーチ
 ランチタイムだ。
ここも有名どころ、ロングビーチ
満月と、新月の干潮の時はビーチが現れる。
沖の小島と陸続きになる。
「ま、有りがちな‥‥。」
今は干潮でも何でもない。
って事は‥‥。
ビーチ。

 ここに上陸して、お弁当。
スタッフが弁当とお茶を配ってくれる。
「ずいぶん立派な弁当箱だで。」
黒い重箱弁当。
中身も立派だった。
かなりがっつり系。
焼き肉ハンバーグ弁当大盛り!
みたいな‥‥。
何よりしくじった。
「ビール持ってくりゃ良かったー!」

 どーでもいいけど、あずましくにゃあ。
ここは、ランチのメッカ。
10隻以上のボートが到着。
内、和人は我々だけ。
あとは全~部、あちゃら系。
豪快にBBQとか持ち込んでる。
カップ辛ラーメンとか、すすってる。
「あれが全部ゴミになるんだべなー。」
狭いビーチをくわえタバコで闊歩。
もちろん、ポイ捨て。
「臭っせ~な~っ!早く出発したいで!」

シュノーケリング
 当然、これも楽しんだ。
ホントは世界有数のダイビングスポット。
ポイントは山のようにあるらしい。
キューバダイビングする衆は、絶対来る。
でも、ハードルも高いらしい。
ウデが無いと無理。
「結構、死ぬヒトもいますよ。」
っと、コージさん。
きっと、このヒトブイブイ言わせたんやろねー。

 残念ながら、我々は無理。
シュノーケリングがせいぜい。
でも、十分楽しめた。
とにかく水がキレイ。
「ボラボラに優るとも劣らにゃあで。」
更に、魚影が濃い。
魚がめちゃ多い。
「こりゃあボラボラよりいいかも‥‥。」
最初に行ったのは、ローズガーデン。
珊瑚と色鮮やかな魚群。
「ホントに絵に描いたような景色だで。」

 もう一つ、ポイントを訪れた。
パラダイスコーナー。
「まあ、誰が名前つけるだかねー。」
こっちは更に魚影が濃かった。
水深もちょっとある。
その分、オオモノもいる。
「あーっ!ナポレオンフィッシュだっ!」
小ぶりだけど間違いない。
みんな大騒ぎ。
一斉にナポレオン探し。
「いやあ、面白かったあ~。」

・セブンティアイランド
 ロックアイランドの見処を巡った。
この世のものと思えない。
良くこんな景観が出来たもんだで。
小っちぇえ島がこらしょとある。
何でも、586あるそうな。
「コノヤローって、覚えて下さい。」
っと、コージさん。
「日本人みてえだで‥‥。」

 行った事ないけど、松島みたい。
なんだろーなー。
どの島も、みんなマッシュルーム型。
侵食されて、船が着く場所はない。
どー見ても、土はない。
保水性もない。
「基本、珊瑚礁だもんなー。」
そこに、ちゃあんと豊かな緑がある。
如何に雨が多いか‥‥。

 ジャーマンチャネルを通った。
独領だった頃に造られた水路だそうな。
マンタが現れるスポットだって。
ナチュラルアーチも観た。
侵食で、島が釣瓶になってる。
かの有名なセブンティアイランドも観た。
けど、わかんない。
「やっぱ、空から観にゃあと‥‥。」
でも、堪能した。
何より海の色に全身が洗われた気がする。

・カフェ・ビータ
 いやあ、良く遊んだ。
水遊び独特の気だるさ、身体の火照り。
子供の頃に戻ったみたい。
晩メシは、マリーナレストラン。
オープンしたばっか。
日本人が開いたイタメシ屋だそうな。
シャレた店だった。
海の上のデッキで、ディナー。
「こりゃあ気持ちいいやー。」

 とりあえずビール。
でも、同行者はあまり飲まない。
ビール頼んだのは、4~5人。
せっかくのイタメシだし、次はワイン‥‥。
飲むのは、我が家だけ。
「乗りが悪りいなー。」
ま、しゃあんめ。
メンツがメンツだし‥‥。
でも、結構話は弾んだ。
いいのは、誰も旅自慢をしない事。
「さすがに世界中行き尽くしちゃった衆だで。」
話のメインはスポーツ。
ま、我が家が中心だとねえ‥‥。

 ワインはまずまずだった。
ここまで来て、こんだけの味なら‥‥。
料理も合格ライン。
バラつきはあったけど、まずまず。
「でも、絶対日本人向けの味だで。」
上品で、繊細さがある。
でも、残念ながら日本人観光客はマイナー。
品性とか、感性とか、方向性‥‥。
持ち合わせない人種がメイン。
「この料理が、あちゃら系に通じるべか?」
ヒトゴトながら心配。