珍しくも無い本の雑感43(4)

 【人びとのかたち

  • 学校教育

 子育てと仕事の日々・・・。
本人がそう言うっくらいだから、きっとそうなんだべ。
子育ては重要な関心事なんだべ。
映画を語るのと変わらない熱気が伝わってくる。
これは尊敬に値するべ。
微妙な世代の違いだんべか?
遅い子どもで結果オーライだったのかも・・・。
 「いまを生きる」って映画があったらしい。
80年代最後の米国、厳格な進学校が舞台だった。
ある日、この学校にキティ先生が赴任。
先生は異端児だった。
生徒に自分の頭で考え、自分の心で感じることの大切さを教える。
アメリカ版「金八先生」みたいな・・・。
他人の考えを受け容れるのはで〜っきれ〜だった。

  • 伝統的教育法

 熱狂的な先生のファンが出来るのは想像に難くない。
子どもはたやすく自由に目覚めてしまう。
ただ、自分をコントロールする能力は不十分。
両親の教育方針との衝突も起きる。
1人の生徒が自殺する。
そして、キティ先生は免職になるというストーリーだそうだ。
 著者いわく。

私の家を訪ねてくる日本の若い人たちを観察していると、自由な教育を受けた人たちよりもなぜか、伝統的な教育を受けたヒトの方が将来性を感じさせるのである。理由はわからない。

 確かに「骨」だけ教えりゃ済む問題ではない。
教育は「血肉」をともなってこそ真の影響を与える事が出来る。
でも、学校に全てを期待するのは無理がある。
学校に期待出来なければ、それを学校以外で補う必要がある。
 キティ先生のやり方は非現実的と言ってる。
キティ先生に教場を与える学校はない。
彼は作家になるしかないのでは、とさえ思う・・・とか。
暗に、当然親が「血肉」を教えるべきだと言ってるんだべな。
まったく同感だべさ。

  • 記憶力

 教育についてのコメントは他にもあった。

「私は、学校時代の成績が非常に良かった人や、それ以後でも試験という試験は何でも受かってしまう人の考えることを、無条件に信用することができない」

 記憶力の良いのは認める。
でも、記憶力は疑うこともない場合に、より効率よく発揮されるのでは・・・。
何の疑問も持たずに勉強出来るヒト・・・。
これが試験には有利に違いない。
 その代わり、想像力、発想の転換、先見力はない。
一番感じるのは「人間洞察力」の貧弱さだという。
これは如何に口答試験重視の欧米でも同じだそうだ。
学校では秀才だったのにねえ・・・で終わっちゃうとか。
んな〜るへ・・・。

  • ウサギ小屋

 「ローズ家の戦争」っという映画があるそうだ。
「住まい」について考えさせられる作品だとか・・・。
「衣・食・住」っとは言うものの、「住」だけはちょと重い。
やっぱカネの問題だんべ。
そう簡単には買い直すって訳にいかないし・・・。
 ローズ家はひょんな事から豪邸を手に入れる。
これが不幸の始まりだった。
夫婦ともに豪邸に見合う内装に血眼になる。
タイトル通り、戦争になるのである。
これを観ると日本人は誰もが「ウサギ小屋」で良かったと思うそうだ。
 著者いわく、そもそも中世は皆「ウサギ小屋」だった。
王侯貴族以外は家に最低限の機能しか求めなかったらしい。
必要があれば外に求める。
教会や公園、浴場など公営の施設でまかなった。
これがコミュニケーションの場だった。
納得しちゃうなあ・・・。
古代人は「持たない幸せ」を謳歌してたんだべなあ・・・。
続きは又・・・。