「食」の裏側のことⅠ

  • ウロコ

 目からウロコだった。
雑誌「週刊東洋径済」に面白い特集があった。
タイトルは「『食』の裏側」
今の日本の「食」の事情がよくわかった。
普段から不思議に思ってた事も沢山あった。
ナゾが一気に解けた。
 「食品」の世界はわかり難い。
食品衛生法」ってのでいろんな表示義務はある。
んで、いろいろ表示はされてる。
これが又、よくわかんない。
まず、書いてあるシナモノの意味がわかんない。
そもそも表示がホントかどうかもわかんない。
表示がホントでも、中味がその通りがどうかもわかんない。
 何ってったってユートピアの世界である。
センセイ、農林氷産省、食品業界の「三位一体」
そのスクラムは磐石だべさ。

 これはよく覚えてる。
去年の秋ごろの話である。
ステーキチェーン店が更正取引委員会から排除命令を受けた。
農氷省じゃない。
更取ってえところがミソである。
 理由は「景品表示法違反」だとか・・・。
レストラン「ヴォルクス」では「成型肉」を使ってた。
内臓肉なんかを接着して型枠でカタチを整えた肉である。
同店はこれを「ビーフステーキ」と表示した。
んで排除命令
売上は激減、店は無くなっちゃったらしい。
 でも、「成型肉」は30年以上の歴史があるそうだ。
業界の常識だとか・・・。
そんなん、誰も知らんかったべや。
他にも「サイコロステーキ」や「すき焼き」「牛タン」・・・。
業界では幅広く使われているとか・・・。
知らんかった・・・。

 最近の流行は「人工霜降り牛」だそうだ。
工場で赤身肉に100本近い針山で牛脂を打ち込むとか。
洗浄して一昼夜寝かすと見事な霜降り肉に・・・。
商品名は「メルティーク」
北海道のホクピーという会社のブランド品だそうだ。
 原料肉は豪州産の最低ランク。
カウミート(搾乳後の牛)。
脂も水分も少なくハンバーグなどの加工用として輸入。
それを良質ステーキに再生する。
考えてみれば、確かに妙に安い肉って結構ある。
千円のステーキランチとか、1,980円のしゃぶしゃぶとか・・・。
 実際、喰ってみると美味いらしい。
ジューシーで柔らかくて言われなきゃわかんないとか・・・。
そりゃ、そーだべなあ・・・。
わかんないべなあ・・・。
これだけ国民総味音痴になってくりゃ・・・。

  • 「水増しハム」

 面白い統計が出てた。
2004年度のデータだとか。
ハム・ソーセージの生産に使われた原料豚肉は42万トンだった。
そして実際に生産された量は50万トン。
原料より製品の方が増える。
何故か?
混ぜモノがあるから・・・。
 「大豆タンパク」「乳タンパク」「卵タンパク」・・・。
裏面の表示欄にも書いてあるそうだ。
原料肉にこれらのゲル状の調味液を針で打ち込む。
1kgの肉は1.5kgに膨れるそうだ。
それを加熱すると水分が蒸発して1.2kgのハムが完成。
んな〜るへ・・・。
 よく出来た仕組みである。
タンパクの働きで水分は逃げないらしい。
この「高加水ハム」は日本独特の技術らしい。
日本では贈答用高級ハム以外はほとんどこれだとか・・・。
しかも、低カロリーで健康にはいい・・・。

  • 「加工肉」

 最近、惣菜屋の「トリ唐」が美味くなった。
っと思ってた。
これもナゾが解けた。
「軟化剤」ってえのがあるそうだ。
鶏肉をこれに漬けておくと水分を吸い込む。
20%以上膨らむそうだ。
そいつを揚げるとジューシーな唐揚げの完成。
なるへ・・・。
 ハンバーグはどの業者も参入したがるそうだ。
それだけオイシイ。
原料はカウミートやトリミングミート(内臓やウデとか・・・)。
これに豚や鶏の端肉や「大豆タンパク」を混ぜる。
そこに「ビーフエキス」で味付け。
500円のハンバーグランチの出来上がり。
フツーにヘルシーハンバーグだべさ。
でも、何か喰う気がしなくなっちゃった・・・。