癌スケ追撃 32日目

・外出
二度目の外出。
すっかり味をしめてしまった。
別に何をする訳じゃない。
我が家に帰って、雑用を片付けて。
十分、気分転換になる。
あと、そら!
玄関を入ると、狂喜乱舞。
「ソーラー…。」
ユアトーンを使って呼ぶ。
一気にしっぽが下がる。
「癒やされるで…。」

突然、次男坊が来ると言う。
じじばばと一緒。
病院ではなく、我が家に来てもらった。
作戦を練った。
とりあえず、雑用と昼メシとシャワーを済ます。
用が済んだ頃、来てもらう。
夕方、全員で病院まで送ってもらう。
んで、ご一行様はパットーラへ。
「嫁さんは大変だけんなー。」

次男坊も大変。
忙しいのに、時間を割いて。
「じじばばに、せがまれたんだべ…。」
ヤツは気持ちが優しい。
じじばばの言う事は、まず断れない。
ま、何にしても有難いこって。
ひとしきり、雑談。
「元気そうで安心したよ。」
そのひと言を聞いて、安心した。
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〈そら〉
・体重
我が家で計ったら、60kgキープ。
「ほー、優秀じゃん!」
これも、日々の難業苦行の成果。
食事は、美味しく喰わないと栄養にならない!
って、信じてた。
違うんだ。
何であれ、押し込めば糧となる。
「食べる事は、生きる事!」
ニンゲンってすごいっ!

この後、終盤戦。
Dr.E本は、言ってた。
「今週くらいまでは、外出出来ると思いますので…。」
その、テンテンテンは何?
病院から出られないって事?
放射線やけどの事だべか…?」
どんな沙汰が待ってるやら…。
鬼が出るか、蛇が出るか…。
「ま、何でも来やがれっ!」

ひとつ、気がかり。
「昨日も、今日も通じがにゃあっ!」
ヤな予感なする。
2日もためた日にゃあ、あ~た!
「又、糞づまりじゃんか…。」
2日連続、緩下剤を飲んだ。
嫁さんから、草のエキスをもらって飲んだ。
徹底的にストレッチもした。
「全然、もよおして来にゃあなー。」
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〈そら〉
・ヒマ
 ニンゲン、ヒマは良くない。
ヒマな衆にロクな事ぁない。
ニンゲン、忙しいくらいでちょうどいい。
きっと、心身ともに健全。
「ここにいると、思い知るなー。」
ロクな事ぁ考えない。
治療の事なんか考えたってしょうがない。
副作用の事も同じ。
「何も考えないのが、一番っ!」

 っと思いつつも考えちゃう‥‥。
「治療って何の生産性もないじゃん。」
ものすごい数のマンパワー
ものすごい量の医療資材。
ものすごい技術の積み重ね。
当然、それに伴う莫大なカネ。
「それも、世間の常識とはズレまくり。」
これをものすごいエネルギーで、患者に注ぎ込む。
結果、得られるのが良くてプラマイゼロ!
「それが、ビョーキ!」

 ヒマと、富裕も同義語。
バングラデシュのテロ事件は、典型だべ。
富裕な高学歴の衆だったとか。
「ヒマが無きゃ、出来にゃあで。」
富裕まで行かなくても、余裕がありゃ同じ。
ヒマが出来ちゃう。
余計な事を考えちゃう。
やっぱ、ロクな事ぁない。
「明日、どーやって喰うか考えてるくらいでちょうどいいかも‥‥。」