癌スケ追撃 25日目
・外出
気分転換する事にした。
Dr.E本のオススメに従った。
「今週か、来週の方がいいと思いますよ。」
ちょっとひっかかるなー。
けど、素直に従った。
「先の事なんか、わかんにゃあし。」
期日前投票をしておきたい。
あと、散髪もしたい。
爪も切りたい。
「結構、忙しそうだで。」
9:30。
嫁さん、到着。
一応「外出許可証」を携帯。
これを医師が発行しなきゃなんない。
「ちゃあんとしてんだ…。」
きっと、ゴマ粒みたいな字で書いてあんじゃね?
一切、自己責任です!
みたいな…。
許可証と、身障者手帳をポケットに。
あと、ユアトーン。
「これで全て用が足りるはず!」
まずは、期日前投票。
市役所別館へ。
駐車場は、3ヵ所あった。
一番近いのが、身障者用と書いてある。
「チャレンジっ!」
全然ノーチェックだった。
っつか、身障者っぽい衆は見当たらない。
「おめーもそーだ!」
確かに…。
〈そら〉
・そら
買い物してから、我が家へ。
ほぼ1ヶ月ぶり。
玄関を開けると、そら。
脱兎のごとく、吹っ飛んで来る。
すごい勢い。
「おーっ!久しぶりだなーっ!」
もみくちゃにしてくれる。
そら、狂喜乱舞。
飛んで跳ねて、舐めて噛んで…。
がうがう言ってる。
「相変わらず、愛いヤツよ!」
ユアトーンを使ってみた。
「ソラー、コッチオイデー。」
固まってる。
「何だ、こいつ?」
みたいな…。
何度か呼んだら動いた。
のそのそと近寄って来た。
警戒心いっぱい。
お愛想で、シッポもちょっと振って…。
「慣れるまで、時間かかりそうだで。」
忙しかった。
昼メシは、憧れのチーズグラタンと焼そば。
もちろん、サニーサイド目玉焼き載せ。
残念ながら、味は全部同じ。
口に入れた時に、かすかに香りがわかるくらい。
でも、完食。
「今しばらくの辛抱だで…。」
散髪もした。
爪も切った。
「あー、さっぱりした。」
帰りは、半額バス。
手帳を提示すると、運ちゃんが対応。
「慣れたもんだで。いかに多いかって事か…。」