癌スケ追撃 15日目
・3クール
化学療法3クール目。
朝から点滴攻撃が始まった。
まず、補液。
続いて、デカドロンとアロキシ。
制吐剤だで。
そして、真打ちシスプラチン。
続いて
マンニットール。
あとは、ひたすら補液の連続。
前回通り。
今回も、今のところ特に異常なし。
「ま、問題は明日からだで…。」
Dr.E本が来室。
放射線治療中にむせた話をした。
「え?どーしたんですか?」
ノドがチリチリした気がすると伝えた。
「ちょっと診ましょう!」
ライトで照らしてノドを診てくれた。
「まだ、何ともないですね。」
さらりと言う。
「放射線も終盤になると、鎮痛剤出したりしますけどね…。」
ひえ~~っ!
〈そら〉
・診察
今日は、診察の集中日。
まずはいつもの耳鼻咽喉科。
今日の担当は、K田先生。
気管孔、ノド、クビの皮膚をチェック。
問題なし。
「昨日の血液検査も異常なしですね。このまま治療継続しましょう。」
エプロンも汚れてない。
「交換しなくても大丈夫ですね。」
いいような悪いような…。
次に口腔外科。
「はい、こちらにどーぞ!」
前回と同じ歯科衛生士さんが待ってた。
個室に案内された。
「何か特別料金取るんじゃあんめな!」
っと思ったけど、素直に従う。
「じゃ、チェックしますね!」
体育会系の姉ちゃんで歯切れがいい。
ガタイもいいし、指も太い。
口の中がいっぱいになる。
「苦しかったら、言って下さい!」
言えにゃあよー。
姉ちゃん、感心してる。
「キレイですねぇ。歯みがき文句なしです。」
放射線の影響もない。
「ふつーは、口内炎とか唾液減少が出始めるんですけどね…。」
残念そうやね…。
最後は、放射線科。
F澤先生は、簡単。
「何か変わった事はありますか?」
ないと伝えた。
「じゃ、継続しましょう。」
看護師さんにも訊かれた。
「口内炎とか、口が渇くとかありませんか?」
特にないと伝えた。
「そろそろ唾液がベタついたりするんですけどね…?」
残念そうやね…。
〈そら〉
・世界一
イチローが遂にやった!
安打数世界一!
最近、ろくなニュースが無かった。
「珍しく明るいニュースだで!」
号外も出たそうな。
日本人で誰もケチつけるヤツがいない。
その事がすごい。
当然、毛唐はケチつけるべな。
「だから、日米通算っつってんじゃ!」
モノサシが違う。
その通り。
だからこそ、ピーちゃん。
「通算大記録、おめでとーっ!」
っとでも言っときゃ、カッコ良かった。
もしくは、笑う。
「俺が日米通算でやったら、6000本はイケたぜ!」
残念ながら、カッコ悪かった。
「大した事じゃないけど、周りの祝福が嬉しかった…。」
カッコいいっ!
ウツワが違う。
「ゴミタメに咲いた、イチロンの花だで!」