癌スケ襲来

・CT

 全然納得してにゃあ。

でも、ここでケンカしてもしょうがにゃあ。

とりあえず命を預ける。

全身全霊で、取り組んで欲しい。

一点の心の曇りもあって欲しくない。

“あのじじー、生意気だ。手を抜いてやる。”

っとか思われたら、堪ったもんじゃない。

二度手間でもしょうがにゃあ。

貴重な医療費をドブに捨ててもしょうがにゃあ。

存分にやってくれ!


 今日も雨模様。

病院に来る日は、不思議なくらい雨が多い。

気持ちが空に映るんだべな。

T海大病院到着。

画像センターで受付。

CTとか、MRIが、ずらっと並んでる。

「これで幾らの投資になるんだべ?」

2度目になると、慣れたもん。

ベテランさんだで。


 突如、ケータイが鳴動。

「おっ!不動産業者からだ!」

応答しつつ、慌ててセンターを飛び出す。

明日の引越の打合せだった。

一度逃すと、次の時間が読めない。

とっても忙しい!


 検査そのものはチョロい。

元々、身体への負担が大きくない。

但し、フトコロへの負担は大きい!

今日は造影剤係がへくった。

静脈に針を入れた時、変な痛みがあった。

じじーだから騒がなかったけど‥‥。

後で見て、びっくり。

「あ~~っ!真っ青じゃんかー!」

 f:id:maosuke1225:20160411152742j:plain〈画像診断センター〉


内視鏡

 問題は、これ!

大っ嫌い!

想像しただけで、具合が悪くなる。

ぐえ~っ!ぐえ~っ!

七転八倒の苦しみだで。

「こんな仕打ちをする奴は、殺したくなる。」

にもかかわらず!

「こんな仕打ちを又やれってか!」


 そいでも、じじーにも学習機能が付いてる。

今回は作戦を練った。

問診票には当然、書いた。

“病院までバスで来ました。”

そして、おもむろにお願い。

「反射が強いので、ペンタジン使って下さいっ!」

看護師さんが一瞬戸惑った。

お!

何だ?出来ねえっつーのか?


 「どうしてもペンタジンでなきゃダメですか?他のクスリならここにあるんですが‥‥。」

早く言ってよ~。

いいに決まってんじゃ。

ペンタジンって名前しか知らないの。


 作戦大成功だった。

注射されるとこまでしか記憶がない。

後のことは全く覚えてない。

「終わりましたよ~!大丈夫ですか?

ってな声で我に戻った。

ん?

まったく、ノープラモデル。

「なあんだー。何で最初っからこうしないのー。」

 f:id:maosuke1225:20160404170605j:plain〈押上〉


・荷造り

 さあ、これからが忙しい!

全然納得せずに、貴重な時間とカネを使った。

因みにお支払い。

「13,640円になります。」

築地の寿司屋で、腹一杯喰えるなー。

ムカついてる暇はにゃあ。

急いで自宅に戻った。

これから押上に行って、荷造りだで。


 まずは掃除。

こう見えても、結構キレイ好き。

「どー見たって、入居した時よりキレイだで。」

ま、誰も誉めちゃくれないけど。

冷蔵庫の中もキレイさっぱり。

ビールと、つまみと、明日の朝食のみ残った。

「押上、最後の晩餐かー。」

そして、カウントダウンも着実に進んでる。


 ちょうど2年間だった。

2年前の4/1、ここに転がり込んだ。

引越は5日後。

キャンプ生活だった。

でも、これから新しい生活が始まる期待もあった。

結構、面白がってた。

そんな事もあったなー。

今のこの環境。

気持ちが全然違う。

「ここで、1人で寝るのも辛いなー。」