癌スケ襲来
・朝食ブッフェ
ここの朝食も、しばらくお別れ。
ま、不断も滅多に食わないけど…。
ここんちのブッフェは、ハンパない。
味に手抜きがない。
とにかく、ちゃんとしてる。
しかも、量が年寄りにちょうどいい。
「これなら、ひと通り味わえるもんなー。」
ま、根が食いしん坊。
出てるもの、ひと通りは喰いたい。
でも、量は無理。
さすがに喰えなくなつた。
「っとは言っても、喰ってるで!」
あと、怪しげな輩がいない。
最近、旅行に行きたくないってヒトが増えた。
理由は、アジアの恥部に遭遇するから。
ここは、それらしき輩がいない。
会員制の良さかも。
食後のフルーツと、コーヒー。
もう、苦しいんだけど…。
嫁さんは許さない。
「朝の果物は、金!」
なんだそうだ。
ま、でもフルーツも旨かった。
だけど、コーヒーがタマにキズ。
有りがちな加圧式。
「惜しいなー。これが旨かったら満点だったのに…。」
「ここんちも、しばらく来られないべなー…。」
〈朝食〉
・帰省
午後から、そらを連れて帰省。
ハードスケジュールだで。
西湘バイパスを下る。
「さっきも通ったような気がするなー。」
向きが違うから。
箱根を越えて、三島の実家へ。
ここで、セールスレディのH子さんと待ち合わせ。
H子さんは、既に来ていた。
話を聞く為に来てもらった。
もう確定診断をコクられた。
ならば、どー動いたらいいの?
いろんな保険に加入。
でも、本人が良く理解してにゃあ。
良く理解しないまま加入。
「じゃ、手続きも訊いちまった方が早いじゃ!」
こーゆー魂胆だで。
何でも、三大疾病保険と、医療保険が対象。
診断が出てるなら、すぐに診断書もらった方がいいそうな。
何しろ、手続きは時間がかかる。
二度手間にはなるが、先に一時金をもらう。
治癒後にもう一度、残額を請求する。
っとのアドバイスだった。
「もらえるものは、少しでも早くもらえ、って事か…。」
よっしゃ!
「月曜日に、行って来よっ!」
〈甲子園〉
・家族会
大移動。
両親、我が家、次男坊一家、で7人。
これに三男坊の家族が合流。
合計10人の大食事会になった。
80歳台、2人。
50歳後半~60歳が6人。
超ワカモノ、2人。
ビミョーな年齢分布。
年寄りほど、がつがつしてる。
ワカモノは、それほど興味無さそう。
じじばばは、孫太郎がいればご機嫌。
年齢の割りには、良く喰った。
壮年層は逞しかった。
良く飲んだし、良く喰った。
っつか、鬼のように量が多い。
ハンパない。
そもそも、言い出しっぺは三男坊。
息子の成人祝いのお返しとか。
最初は断った。
まず、都合が合わない。
4家族が集まるのは、簡単じゃない。
「そんな事に、気ぃ遣わなくていいよ。」
でも、両親が諦めない。
「ちょっと先でもいいから、都合つかないの?」
ってんで、この日を決めた。
当然、癌スケのがの字も知らない頃。
「まさか、こんな席になろうとは…。」
・【群鳳】
店は三男坊がセット。
事前に相談があった。
「兄貴は和食が好きなんだろ?」
実家経由で、中華にするように言ってあった。
ま、円卓だし。
ワカモノも腹ふくれるし。
何より負担も軽かろう。
「中華の方がいいって。但し、禁煙の店頼むで。」
苦労したらしい。
馴染みの店を、ひと晩限定禁煙にしたらしい。
チカラあるねー。
メニューも豊富。
量も豊富。
更に、馴染みのサービス盛り。
焼きそばとか、炒飯とかハンパない。
洗面器みたいな量。
見ただけで、戦意喪失。
我が家は、ビールとつまみがあればいい。
全員揃ったメシは何年ぶりだろ?
「あえて、避けてたからなー。」
この家族会は、会話がない。
ぐちゃぐちゃヒトがいっぱいいて、てんでにながら喰い。
テレビ観ながら。
ゲームやりながら。
「何喰ってんのか、わかんにゃあら?」
今回は、状況が違う。
もちろん、話題は癌スケのオペ。
「初めて、会話のある会食だつたなー。」
・ライン
三男坊の家は、すぐ近所。
「お茶でも、飲んでいけば?」
ってんで、お邪魔した。
話題は、更に癌スケのオペ。
コミュニケーションをどーするか?
「ラインがいいんじゃない?」
話は良く聞く。
「んなもん、どーしていいか、わかんにゃあで。」
甥っ子、登場。
「おじさん、俺がやってあげるよ。」
さすが、ワカモノ。
あっという間に、家族会のラインが出来た。
ぴぽーん。
ぴぽーん。
みんなが、てんでにメッセージを放り込む。
「これが噂のラインかー。」
面白いかも。
詳しい事はわからない。
でも、とりあえず家族会が出来た。
オペに向けて、役に立ちそう。
極めてクローズな世界。
しかも、身内。
「ま、もめ事はにゃあら?」
嫁さんの話では、女子会とかは恐いらしい。
仲間外れにするとか、無視するとか…。
「くわばら、くわばら…。」