癌スケ襲来
・MRI
2度目のT海大病院。
「でけーなー…。」
インフラは十分立派に見える。
あとは、ソフトと、リソース。
いろんな仕組みも、良く出来てると思う。
リソースも、全体的にハイレベル。
徹底的にマニュアル化されてる。
ここもそーだった。
「画像診断センター」
受付を終えると、DVD視聴。
金属類、磁気カードは一切ご法度。
全て鍵付きロッカーに。
次に、問診。
問診票の確認と、持ち物確認。
訊いてみた。
「荷物が多いので、ロッカー2つ使っていいですか?」
「もちろんです。」
あ、そ。
強力な磁場で、ケータイや磁気カードが壊れる。
カナモノは、機器に吸いつけられて危ない。
って事を、徹底的に刷り込む。
そーゆーマニュアルらしい。
「前にも受けたことあるけど、全然違ったなー。」
ま、検査そのものは負担はない。
ちょっとうるさいけど…。
「でも、MRIで何を診るんだべ。」
〈T海大病院〉
・むら雲
次に、外科外来へ。
耳鼻咽喉科、Dr.E本の紹介。
何っつっても、治療はチームプレー。
いろんな科の医師が集まる。
特にオペは大事。
皆様に、全身全霊で取り組んで欲しい。
1点の曇りもあって欲しくない。
「外科の先生にも、よろしくお願いしなくちゃ!」
待つこと、1時間。
ま、普通だべな。
ようやく診察室に入った。
「この度は、よろしくお願い致します。」
っと挨拶。
Dr.O澤は、無言だった。
無言で、パソコンや書類を見ている。
″まさか、初めてカルテを見たんじゃない…。″
″ひょっとして、喉頭摘出でしゃべれない?″
5~6分見てただろうか。
やっと口を利いた。
「はい、わかりました。12日オペですね。これで結構です。」
はあ~~っ?
その後、耳鼻咽喉科外来へ。
診察室の前で待ってると、看護師さんが…。
「あのー、外科からもう一度来て頂きたいと、伝言がありました。」
はあ~~っ?
何だ、こいつ?
だんだんムカついて来た。
1点の曇りも無くしたいのに…。
「不穏なむら雲が、むくむくと…。」
・オペ説明
Dr.E本に会った。
まずは、スケジュール。
予定通り、4月8日入院。
4月12日オペで、行けると言う。
オペまで約2週間。
最短に近いスケジュールだとか。
「いよいよカウントダウンが始まるんだ…。」
続いて、オペ内容説明。
「下咽頭がん治療」
「頸部郭清術」
「遊離皮弁再建術」
更に、空腸モニターの説明。
ま、大体のイメージは理解。
大変な大手術だ。
でも、どこかヒトゴト。
「全く現実感がにゃあで。」
最後にDr.E本曰く。
「外科で、4月1日にCTと内視鏡をやるそうですね。」
はあ~~っ?
聞いてねーよっ!
「両方ともデータありましたよねー。」
あった。
H塚市民病院で、苦しい思いして検査した。
そのCD-ROMも持ってきた。
思いっきし、ムカついて来た。
Dr.E本も、雰囲気を察したらしい。
「あのー、外科で相談してみて下さい。」
・チーム
憤然と、外科外来へ。
受付で事情を話す。
「少々お待ち下さい。」
又、待たされる。
やがて、看護師が紙を持ってきた。
「4月1日にCTと、内視鏡の検査がありますので、朝食をとらずに来て下さい。」
″聞いてねーよっ!このボケナスがっ!″
我慢した。
言えねー、言えねー!
1点の曇りも無くしたい…。
「その日は、どうしても都合がつきません。
それに、CTと内視鏡のデータはCD-ROMで提出して、アップされてるはずですよ。」
っと、CD-ROMを手渡した。
看護師も困った。
「少々お待ち下さい。先生に訊いて来ます。」
又、待ち。
″てめえが出て来て、説明したらどーなの?″
言えねー、言えねー!
しばらくして、又看護師が来た。
″やっぱり本人が直接話す気はないのか!″
CD-ROMを返してよこした。
「データは有難うございました。でも当院として検査したいので、日程調整をお願いします。」
″全然、理屈になってねーよ!″
言えねー、言えねー!
「消化器外科チームがいるのが、1日、2日、4日なので、このどれかでお願いします。」
チーム…?
読めた。
″研修医の教材にする魂胆だなぁ!″
とりあえず我慢する。
大きな目的の為に…。
4日に決めた。
こいつに腹を切られるのか…。
空腸まで切られる。
「まさに、断腸の思いだで!」
立派な病院だけど、この科だけはオススメしない!