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癌スケ襲来

インフォームドコンセント
運命の日が来た。
あんまり現実感がにゃあ。
でも、現実。
嫁さんと2人で、H塚市民病院へ。
ここ数日、良く眠れない。
食欲もイマイチ。
何となく、げっそりした。
「何だか、病気になりそうだで。」

午後なので、外来は終わってる。
人影もまばら。
耳鼻咽喉科で、Dr.Y山と面談。
「じゃ、改めて説明します。」
っと切り出した。
「診断は、下咽頭がん。リンパ転移もありますので、ステージはⅢ~Ⅳです。」
一刀両断。
明快に、コクられた。

「治療法は3つ。手術、放射線抗がん剤、又はその組合せもあります。」
それは、随分調べた。
気分的には、何とかオペから逃げたい。
「私の意見としては、手術しかありません。場合によっては、更に放射線抗がん剤も使った方がいいです。」
これも明快。

ちょっと、ホンネを言ってみた。
「先生、調べたら手術後は大変らしいですね。自分としては、何とか日常生活に戻って仕事もしたいんですが…。」
先生、絶句。
放射線と、抗がん剤で治療出来ないでしょうか?」
「お勧めしません。再発の可能性が大きいです。万一、放射線で焼いた後で手術しようとしても、組織がボロボロで、うまく繋がりません。」
理路整然…。

セカンドオピニオン
しばらく沈黙。
「手術したら、日常生活や仕事には戻れませんよね。そこが、どうしても引っかかるんです。」
もう一度、押してみた。
「確かに、そういう選択をする方もいます。歌手とかですね。でも、最後は癌に負けます。そこまでこだわってらっしゃるお仕事って何ですか?」
そりゃ、歌手じゃない。
でも、やりがい感じる仕事なら、何でも同じじゃないか…。
後から考えたら、良くわかる。
「命より大切な仕事って、何なの?」
って言いたかったんだ。

嫁さんが、質問。
「声帯を残して手術する方法があるって、読んだんですが、それは出来ないんでしょうか?」
Dr.Y山曰く。
喉頭亜全摘手術の事ですね。あれは、K里大病院で研究してますが、このケースは対象になりません。」
一刀両断。
「幸い、内視鏡検査の結果、食道に転移はありません。CT検査の結果でも、肺に転移がないので、今なら手術出来る可能性が大きいんです。もちろん、全身の遠隔転移の確認はしますが…。」
う~~ん…。

きっと、思ったべなー。
″何?この能天気じじーは?事の重大性が全くわかってない!自分の命がかかっているのよっ!″
ホントなら、匙を投げられてもおかしくなかった。
「じゃ、お好きにどうぞ!」って。
でも、Dr.Y山は寛大だった。
「こうしましょうか?私1人の意見だけでは、納得出来ないでしょうから、セカンドオピニオンを聞いて下さい。それで、私と同じ意見だったら、考えて頂くって事でどうですか?」
理路整然…。

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〈市民病院〉

・予約
否も、応もにゃあ。
全く、仰る通り。
何の異存もございません。
「紹介状書きますけど、どちらかご希望はありますか?」
特にあてはない。
「じゃ、T海大でいいですか?癌の権威の先生がいらっしゃいますから。」
予約も取ってくれると言う。
「予約無しだと、何時になるかわかりません。」
有難い。
けど、方向はどんどん絞られてく…。

「準備するので、外でお待ち下さい。」
無人の外来待合室で待つ。
言葉が出ない…。
嫁さんがひと言。
「私が、おとうさんの声になるよ…。」
ぶわっ!
涙が吹き出した。
「やっぱ、そらより先に逝っちゃダメだよ…。」
ぶわっ!ぶわっ!
涙が止まらない。
誰かが通りかかって、怪訝そうに見てく。
「知ったことかっ!」

Dr.Y山は親切だった。
O上教授への紹介状を書いて、3月23日の予約を取ってくれた。
検査データのCD-ROMと、生検のプレパラートも持たせてくれた。
丁寧にお礼を言って、病院を後にした。
でも、気持ちは固まった。
「生きよう!生きる為に手を尽くそう!」
そう思うと、少し気が楽になった。
「よっしゃ!今からT海大の下見に行くべーじゃ!」