【エクシブ那須白河】のこと

・【紅蘭】
 クルマが迎えに来た。
次男坊夫婦と、じじばば。
荷物もそこそこ載ってる。
そこに、我が家二人と一匹。
クルマは7人乗りなので、問題はない。
けど、最後部席は狭い。
「ま、どーせ飲んで寝てくに‥‥。」
率先して潜り込んだ。

 一路、東名厚木から東北道へ。
昼メシは決めてあった。
【紅蘭】。
住んでいた頃は良く行った。
味噌ラーメンと、餃子にハマった。
やり手母ちゃんと、寡黙父ちゃんでやってた。
味噌は独特の旨さだった。
餃子は父ちゃん手作りで、丁寧に焼く。
「やっぱ、あれ喰いてえよなー。」
ノスタルジーだで。

 「ちょっと待たされるかもね。」
昔の大混雑のイメージが残ってる。
ん?
ガラガラだった。
ちょっと不安のむら雲が‥‥。
ま、チャレンジ!
味噌ラーメンと、餃子!
空いてる理由はすぐわかった。
「違う!こりゃ、似て非なるもんだで。」
訊くと、父ちゃんは最近亡くなった。
母ちゃんが引き継いで、1人で頑張ってるそうな。
「やっぱ、父ちゃんの味だったんだ‥‥。」
30年の時間が流れた‥‥。

・百寿
 知らなかった。
「モモジュ」って言うそうな。
最近は白寿に続いて、祝うんだと。
ハトコの義理のお母さん。
今月、100歳になった。
さすがに、認知症で車イス生活。
でも、顔色は良かった。
娘と手厚い介護軍団に守られて幸せだべ。
唐突に、でっかいアレンジメントを持って行った。
「白寿のお祝いもしてないのに‥‥。」
ま、いいんじゃね‥‥。

 ハトコは、お出かけ。
運転手付きベントレーだそうな。
豪邸の居間に入ると、胡蝶蘭の森だった。
大きさもハンパない。
「うわっ!すげえ景色だで。」
でも、我がアレンジメントがかえって目立つ。
「参ったか!」
ま、この環境だもんなー。
ハトコ嫁さん、ずいぶん肥えた。
どっぷり自宅介護に浸ってる雰囲気。

 しばし四方山話。
その後、豪邸を辞して墓参り。
ハトコのオヤジさん、ばーばの従兄弟の墓。
多分、訪れる人も少ない。
我々も10年は来てない。
「供花が無かったなー。」
急きょ、山を歩いて野草の花束作成。
無事、墓参りを終えた。
近くて、遠い宇都宮。
次に来るのは何時だべ‥‥?
「さあて、一路白河へ。」

・【エクシブ那須白河】
 すげえバブリーだった。
「こんなに新しいのに、良くぞ‥‥。」
ってな造りだった。
ゴルフ場併設。
ゴルフ客で賑わってるらしい。
次男坊とじじばばで一室。
我が家はドギーロッジを借りた。
「そらも一緒に泊まれるで。」
アレンジは、全て次男坊。
還暦のお祝いって事で、ご招待。
「後が怖いで‥‥。」

 ディナーは個室だった。
日本料理「花木鳥」の中にある。
じゃ、まずは白ワイン。
「お祝いだに、シャブリだべ!」
ワイン、ビール、お茶各々で乾杯。
コースの始まりー。

【前菜】
フォアグラフラン柚子胡椒の餡掛け
合鴨ロースと青葱を添えて
子持ち昆布と小松菜のお浸し
柿と栗麩、ぶな占地と隠元の白和え
豪華だで。
箱に相応しい料理って事らしい。

【御椀】
胡麻豆腐の白味噌仕立て
蟹身とほうれん草、芥子を添えて
ちょっと強いけど、美味しかった。

【向付】
宮城県塩竃港生ばちまぐろ
阿武隈川メイプルサーモン
鯛 しま鯵 煽り烏賊
サーモン好きのじーじ大喜び。

【焚合せ】
静岡県伊豆産の金目鯛かぶら
菊菜と紅葉麩、白髪葱とすり柚子
金目鯛が追っかけて来たで。

【焼物】
宮城県産殻付き帆立貝と木の子のバター醤油焼き
白舞茸とぶな占地と平茸
栗 銀杏 赤パプリカ
地元色ががっつり。
若い衆には喜ばれるボリュームだった。

【肉料理】
黒毛和牛ランプ肉のステーキ
えりんぎ茸と焼茄子と山椒味噌を添えて
本格的なステーキだった。

【食事】
穴子と蓮根の炊き込み御飯
吸物 香の物
これは絶妙な取り合わせで、美味かった。

【サプライズ】
次男坊の配慮に感謝。
お祝いのケーキが出て来て、盛り上がった。

【水菓子】
栗のババロア
栗クリームと栗甘露煮添え
紫芋の冷やし汁粉
カットフルーツ
ケーキと合わせて、豪華なデザートだった。

ひえ~~っ!
腹一杯だで。
雰囲気で喰っちまった。
ま、いいシテュエーションで、十分美味しかった。
☆は、2つ半かな。