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【すしざんまい 奥の院】のこと

・まりりん
 今日は、珍しく3人で待ち合わせ。
嫁さんと、友人のまりりん。
まりりんと会うのは久しぶり。
「1年半ぶりだねー。」
東京から引っ越す間際に、家に来た。
嫁さんの送別会の流れとかで、女性3人で。
もう引っ越し段ボール山積み。
「美味いワインはあるけど、グラス仕舞っちゃった。」
湯呑みで乾杯。

 みんな女傑だった。
既に十分酔っぱらってたはず。
でも、ワイン3本空けた。
「美味いワイン飲んでるわねー。」
ぐいぐい行ってる。
1人生粋の下町っ子がいた。
「ホントに、シコウキって言うんだ!」
てやんでい!
手鼻かみそうな勢い。
「端から見ると、ドブロクみてぇあだで。」

 まりりん曰く。
「今日の生ハムがとっても美味しかったのよー。」
オープンしたてのイタメシ屋だったそうな。
「ご主人に食べさせてあげようとお土産に持ってきたのよ。」
泣かせる。
何て、思いやり!
広げてあるオードブルを物色。
ん?
「生ハム、見当たらないけど‥‥。」
「あら、みんな食べちゃったみたい。わっはっはー。」

・ブショネ
 まりりんはワイン通。
ソムリエの資格も持ってる。
寿司屋では大概、冷酒、
行きつけの【寿司清】では、このパターン。
今日は、ワイン。
「いろいろワイン置いてあるで。」
とりあえずブルゴーニュの白。

 まりりんがひと口。
ん?
「これ、ブショネじゃない?」
は?
何を言ってんのか、わかんない。
「これ、絶対ブショネよ!替えてもらいましょっ!」
初めて聞いた言葉だった。
要するに不良品の事らしい。
ソムリエが飛んできた。
「ここんちゃ、ソムリエもいたんだ!」
知らない事ばっかし。

 まりりんと、しばしやり取り。
ソムリエにもひと口飲ませる。
「お客さん、これはブショネじゃありませんよ。」
まりりん、負けてない。
「私も資格持ってんのよ。」
話してる内に、二人が同門とわかった。
握手。
「何だか、だんだん美味しくなってきた。わっはっはー。」
豪傑だで。

 まりりんは、当店初めて。
「あそこんちは、社長が嫌い!」
が口癖だった。
「でも、【奥の院】だけは別だから‥‥。」
っと誘った。
つまみもいろいろ。
酒もいろいろ。
「ここ、いいわね!」
好評だった。
もちろん握りもイケた。
ワインも3本空けた。
恐るべし、女傑まりりん。