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【菜流寺】のこと

・俵澤
 静岡市俵澤。
じーじの実家がある。
つまり、オヤジの生まれ故郷。
珍しく墓参りに行った。
いろんな含みがある。
「ま、とりあえず行っとくべーじゃ!」
じじばばと、三男坊夫婦とその長男。
我が家と合わせて、総勢7人。
「大軍団だで。」

 今年、じーじのお兄さんが逝去。
これで俵澤にじーじの兄弟はいなくなった。
実家は長兄の娘が婿をとった。
代替わりした。
「従姉妹なんだけど、接点にゃあなー。」
ってな状態。
俵澤には、他にも従兄弟がいる。
でも、付き合いとしては同じ。
「ビミョーだよなー。」

 ややこしい事に、俵澤には墓がある。
【菜流寺】というお寺さん。
実家や、じーじの兄弟の墓と同じ。
ま、村中檀家みたいな‥‥。
20年くらい前。
実家の長兄からじーじに誘いがあった。
「墓地が出るけど、どうだ?」
そこそこまとまったカネが要る。
じじばばに懇願された。
「そんなに言うなら、しゃあんめ!」
赤文字の立派な墓が建った‥‥。

・【菜流寺】
 山の中にある。
歩いて行くのは、とっても大変。
それも、静岡市俵澤。
実家があるとは言っても、代替わりしてる。
「この先、どーなっちゃうだか‥‥?」
情に流された20年前。
ちょっと後悔してる。
どーするかも含めて、今回の墓参り。
「まずは、行けっ!」

 御仏前と線香持参で俵澤へ。
まずは実家で線香を挙げる。
次いでじーじの兄弟の家で焼香。
両家ともお客さん扱い。
叔父叔母と、従兄弟だけど‥‥。
「滅多に見ない客だもんなー。」
叔父叔母だってお客さん。
何となく他人行儀な雰囲気だった。
遠くの親戚だで。
「この先、どーなっちゃうだか‥‥。」

 墓参りに行った。
ホントに山の中。
クルマでよじ登って、更に歩いてガケを登る。
実家と、兄弟の家と、赤文字。
三軒はしごだで。
じじばばは、どー思ってんだべ?
「ま、多分何も考えてにゃあなー。」
考えるのは、只1人。
「長男坊っきゃにゃあら!」