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【三養荘】のこと

・クーポン
 憧れの【三養荘】。
遂に行ける機会を得た。
日本橋三越で、クーポンを出した。
有名どころの宿に使える。
値だ的には、かなりお買得。
クーポンを購入して、予約も出来る。
「こんな企画に載るような宿じゃ無かったんだけど‥‥。」
っと、嫁さんは複雑そう。

 40年前、嫁さんはここに勤めてた。
当時、【三養荘】と言えば、あーたっ!
泣く子も黙る!
政界財界の大御所がお忍びで来る。
皇室も利用する。
一般平民には近寄り難い宿だった。
「何で、そんな宿に‥‥?」
子を思う親心。
「厳しいから、きっと花嫁修行が出来る。」

 実際、厳しかったらしい。
礼儀作法はもちろん、相手が相手。
絶対にミスがあってはならない。
宿を挙げておもてなし体制を整える。
「すっごい仲間意識が生まれたわ。」
茶道・華道も必須。
宿の一番いい部屋でお茶会もあった。
まかない料理もハンパない。
「いつも、旬の食材を頂いてたなー。」
そんな【三養荘】へ、いざ!

・改築
 40年ぶり。
とりあえず、迷うことはない。
ただ、玄関でびっくり。
「えーっ!何か全然違うで!」
さすがに40年は長い。
何度か、改築を重ねたらしい。
すごいエントランスだった。
バカでかい!
そこに帳場と、売店が続く。
「何か、全然面影がないわー。」

 部屋まで仲居さんが案内してくれた。
めっちゃ遠い。
昔の建物と、重なって迷路のよう。
仲居さんが荷物を持ってくれたけど、大変そう。
さすがに見かねた。
「1つは自分で持ってくよ。」
結構なお年だと思う。
ようやく部屋に到着。
「すっげえ造りだで‥‥。」
昔の趣をそのまま残した近代建築。
みたいな‥‥。

・古奈温泉
 まずは、庭見物とひとっ風呂。
ここは温泉も有名。
古奈温泉郷は、1300年の歴史がある。
源頼朝も入浴したとか。
ここに、岩崎久彌が別邸を建てた。
これが【三養荘】のルーツ。
久彌は三菱財閥三代社長だった。
引退後、小岩井農場を運営。
んで、別邸を造った。
「そーいた衆のお陰で、今があるだで。」

 別邸が出来たのは、昭和4年。
数寄屋造りの純和風建築。
これが昭和21年、堤康次郎の手に。
翌22年、【三養荘】としてオープン。
当初、15室だったそうな。
その後、増築を繰り返し、40室まで拡張。
当初の部屋も頑張って保存。
茶会などに使ってるそうな。
でも、支えきれず封印された部屋もあった。
「そりゃ、時代の流れだべなー。」

 庭園もすごい。
高名な、小川治兵衛作。
箱根を借景に、小山が1つ丸ごと庭園。
「こりゃあ、圧巻だあね!」
樹木もハンパない。
巨木がいっぱい。
でも、さすがに隅々まで手が届かない。
って気がした。
「この庭の手入れは大変だべなー。」

・ディナー
 庭園ツアーと、温泉を堪能。
次は、お楽しみディナー。
大広間に。
さすがに部屋食は大変。
「そりゃ、こんな値段じゃ無理だべや。」
かつてはほとんど部屋食だったらしい。
「時代の流れだべなー。」

【食前酒】
梅酒
美味しい。
でも、半分警戒しながら飲む。

【箸付】
水無月豆腐 じゅんさい 美味汁
小豆がまぶされた胡麻豆腐。
氷室から出した氷を表すそうな。
ちょっと和菓子っぽい。

【八寸】
帆立芽かぶ真砂和え 豆苗煮浸し 紫陽花麩 穴子袱紗焼 川海老甘露煮
季節感あふれてんなー。

【小茶碗】
玉地蒸し
湯葉 三つ葉 露わさび べっ甲餡
嫁さん曰く、昔からの得意料理。
あえて強めの関東味になってるそうな。

【向】
海の幸盛り合わせ 妻色々 山葵
やっぱ、この界隈の魚は馴染む‥‥。

【焼肴】
鮎の塩焼 さざえつぼ焼
たで酢 梅甘露煮 はじかみ
出た!
待望の狩野川の鮎っ!
憧れのサザエっ!

【煮物】
南瓜饅頭 海老 絹さや あやめ麩
これも季節感満載。

【替り鉢】
陶板焼
海老 帆立 烏賊 合鴨 野菜一式 卸しぽん酢
かなり腹一杯になってきた‥‥。

【御食事】
玉蜀黍御飯(静岡産こしひかり)
止椀 香の物
香ばしくて美味かったー。

【水菓子】
季節の果物
早くもスイカ登場だけど、やっぱまだ早いなー。

憧れの【三養荘】の、憧れの懐石料理。
堪能した!
憧れの狩野川の鮎も喰えた!
大満足の、☆3つ。