【桃源】のこと

・ハマ
 「たまには、美味い中華料理喰いてゃあね。」
ってな話になった。
美味しいと言えば‥‥?
ダントツ、【黄鶴】!」
それ、札幌だし‥‥。
「都内なら、【星が岡】!」
それ、別格だから‥‥。
っつーと、やっぱハマかなぁ。
ってんで、【桃源】へ。

 ま、オークラだに。
間違いは少ない。
「ゼロではにゃあけど‥‥。」
デパートの名店街なので、敷居もちょっと低い。
もうずいぶん長くなった。
不思議な事に、幾つかある直営店でも味が違う。
「ま、同じ店でも違うけんな。」
ここが一番、合ってる。
赤坂も、日本橋も、イマイチ合わなかった。
「デパ上ってのが、いいんだべか?」

・ホスピタリティ
 やっぱ、一流ホテルだで。
敷居は下げても、接遇は絶対外さない。
席の案内から実に心地いい。
メニュー選びも懇切丁寧。
好みや、量もすぐに嗅ぎ取る。
「まずは、蒸し鶏喰いたいね。」
「青椒肉絲もいいね。」
「春巻きも外せない。」
何だか、いつも通りじゃ‥‥。

 ワインもちゃんとしてた。
バカみたいな値段じゃなくて、十分美味しい。
立派なワインクーラーにセット。
絶対に客に注がせない。
「目配り出来てるよなー。」
料理も美味しかった。
関東味だけど、許容範囲内。
変わってなくて良かった。
「中華街よか、全然好みだで。」

 ワガママも聴いてくれる。
「豆腐のオイスターソース炒めが喰いてゃあ。」
黒服は、にっこり。
「出来ますよ。」
メニューに載ってなくてもOK。
お持ち帰りもOK。
ホスピタリティは完璧。
そして、この味、このロケーション。
「言うことなし。☆3つだで。」