続・【久兵衛・京プラ店】のこと

  • コース

 料理が出た。

    1. 【小松菜と菊のお浸し】 
    2. 【生ワカメとミョウガ】 ポン酢につけて
    3. 【煮物】 ゴボウのアナゴ巻
    4. 【蒸物】 茶碗蒸し
    5. 【お造り】 マコガレイ・焼アオヤギ・中トロ・カツオ・イカ
    6. 【焼魚】 カマス・甘栗添え
    7. 【お椀】 ハマグリ潮汁
    8. 【握り】 赤貝・水イカ・大トロ・ウニ・シマアジ・アナゴ・中落鉄火巻・ヒモキュウ巻
    9. 【デザート】 ほうじ茶アイス

 いやあ、すぎゃあ。
噂に違わず、すぎゃあ。
こんだけ美味ゃあ寿司は初めて喰った。
東京に来てから、不味い魚を喰ったこんがにゃあ。
寿司もどこへ行っても美味ゃあ。
って思ってた。

「そいでも、この寿司はひと味、ふた味違あわ・・・」

 突出しでひっくり返ゃーった。
【お浸し】の上品なことっ!
ダシがゼータクに使われてる。
ド素人でもわかる。
さり気なく置かれた【ワカメとミョウガ】。
これが又、美味ゃあっ!

「ひゃあ、やびゃあっ!ビールが止まんなくなっちまあ・・・」

  • 独占

 カウンターは8人っくりゃあ座れる。
んで、板さんが2人っくりゃあ入れるようになってる。
ちょうど目の届くいい配分なんだべな。

「正直、1人で来るお客さんが多いと大変っす。放っとけないんすよねー」

そりゃ、そーだ。
 今日は板さん独占。
時間も早い。
まったく貸切状態だった。
あーだこーだ話しながら、料理を出してくれる。
料理のタイミングが実にいい。
奥の調理場とのやり取りもある。

「こりゃあ、きっと阿吽の呼吸なんだべな・・・」

あらゆる料理が美味ゃあ。
【アナゴとゴボウ】のマリアージュは感激。
【茶碗蒸し】も絶品。
【刺身】なんて、言うまでもにゃあ。
【カマス焼き】がカリカリで、香ばしくて、又ビールだで。
添え物の【甘栗】が泣ける。
甘み抑え目で、しょっぱ辛い味付け。

「ひゃあ、こんなん初めて喰ったあ・・・」

  • 5倍

ガリさえもフツーじゃにゃあ。
上品で甘からず、辛からず・・・。
【ハマグリ椀】はしばし言葉が出にゃあ。
白濁した汁は濃厚。
豪華だった。

「ひゃあ、こやあ美味ゃあなあ〜んてモンじゃにゃあで・・・」

 いよいよ握り。
板さんがいろいろ選ってくれる。
最初に握ってくれたのが「赤貝」。

「いやあ〜、4ヶ月ぶりなんすよ〜。今日から解禁でして・・・」

場所柄、夏場の貝は制限があるそうな。
なあるほど、ラッキーじゃん。
 どれもこれも拘りのネタ。
「ウニ」は厚岸のエゾバフンウニ
「アナゴ」は塩とスダチで・・・。
「大トロ」はいきなし溶けて消えた。
板さんに訊いてみた。

「何でこんなに美味ゃあだかねー?」

板さん言わく。

「そりゃあ、高いお金頂いてますからね。我々が家で使う5倍っくらいのダシ使ってますから・・・」