番外・【大人の社会科見学】のこと

 こっちゃ、でんでん場所違い。
上野にある。
「トーハク」のご近所。
名前は厳めしいけんど、結構気さく。
それこそ「トーハク」のついで寄った。
目的は建物。
明治39年(1906年)建築。
帝国図書館」としてデビューした。
その後、増改築はされた。
でも、ベースは当時の建物を使ってる。

「そりゃあ、いっぺん観にゃあと・・・」

 空いてた。
受付に女性が2人座ってた。

「あのお〜、ちぃっと見学したいんですけど・・・」

2人の顔が輝いた。

「あ、どーぞ!どーぞ!ご自由にご覧下さい」

ハードルはにゃあ。
同じ「国立国会図書館」かあ〜?
でんでん違あじゃんか・・・。
 建物はすらばしいっ!
階段や手すりは感涙モノ・・・。
3階で特別展をやってた。

【日本の子どもの文学 − 国際子ども図書館所蔵資料で見る歩み】

なかなか面白かった。
大正から昭和初期・・・。
戦争を挟んでの児童書の変遷。
「白秋童謡集」とか、「お伽噺」とか・・・。
かすかに記憶が残ってるモンもあった。
会場は貸し切り状態。

「こんな立派な施設がガラガラって、もってゃあにゃあこんだで・・・」

 これもちぃっと場所違い。
言わずと知れた兜町
こいつもいっぺん行ったろーって思ってた。
こいつも仕事の合間。
ちぃっと時間を作って飛び込んだ。
ここもガードマンはがっつり。

「あのお〜、ちぃっと見学したいんですけど・・・」

いつものパターン。
丁寧に案内してくれた。
受付嬢に言われて、記名手続き。
ごゆっくりどーぞ!
っみてゃあな・・・。
こっちゃ、とっても民間っぽい。
 テレビじゃイヤってほど観てる。
ただ現物は初めて。
なかなか立派な施設だった。
っつか、立派過ぎてムダなんじゃにゃあか・・・?
ヒトカゲはまばら。
机に向かってる衆が数名いるだけ・・・。
例の回転式電光掲示板だけがクルクル回ってる。
いごいてるヒトなんかいにゃあ。
熱気もヘチマもにゃあ。

「ひゃあ、もっとも全てコンピータ取引だもん、ヒトは関係にゃあだらねー」

 見学者もちらほら。
ま、観てもあんまし感激しにゃあし・・・。
子どもの修学旅行とかは結構あるらしい。
研修用の別室も用意されてた。
テレビクルーが来てた。
株価ボードの前で何かしゃべってる。
良く見かける光景だで。

「お、キャスターの姉ちゃん、ちぃっと美形じゃんか!」

カサカサと近づいてった。
身の回りスタッフがうじゃうじゃ・・・。
そばへ寄るなオーラを発してる。

「てんめー・・・。後ろに廻ってブイサインとかしちまあどっ!」