お見送りのこと 【1/30】

  • ほら貝

 波止場には数組の客がいた。
例のビジネス団塊ペアもいた。
送迎ボートを待つ。
姉ちゃんがみんなに貝殻のレイをかけてくれる。
ジモティのマッチョ兄ちゃんがほら貝を吹く。
この2人が最後まで見送ってくれた。
みんな名残惜しそう。

「ひゃあ、一緒に写真撮らしてくんなー」

代わる代わる記念撮影。
 次はほら貝体験。

「ちぃっと、試しに吹かしてみてくいよー」

みんなで代わる代わるチャレンジ。
思いっきり息を吸い込む。

「ぷしゅ〜〜〜〜っ!」

大爆笑っ!
 こりゃあ盛り上がった。

「よっしゃ!チャレンジしてやるべーじゃっ!元、吹奏楽部だでっ!」

勢い込んで吹く。

「すっかあ〜〜〜っ!」

大爆笑っ!
結局、誰も鳴らなかった・・・。

  • リベンジ

 ダメか・・・。
でも、悔しいじゃ。
元、吹奏楽部の沽券にかかわるで・・・。
何とかしてやんべーじゃっ!

「あの『ディジュリドゥ』だって鳴らしたこんがあんだでー・・・」

リベンジっ!
 ちぃっとハスに構える。
クチビルの横ったを使ってみた。

「ぷおおお〜〜〜〜っ!」

鳴ったっ!

「お〜〜〜〜っ!」

拍手喝采っ!
たちまちヒーローだで・・・。
 リベンジする衆が続いた。
例のビジネス団塊オヤジも登場。
負けてなるかと・・・。

「ぷしゅっ!ぷっ!ぷっ!ぷふぉっ!」

かなりしぶとい。

「ぷっふぉ〜っ!」

はい、皆さん拍手〜〜っ!
さすが、この世代!