珍しくも無い本の雑感43

  • 不思議

 積んどく在庫から1冊引っ張り出した。
久々に「塩野七生」である。
タイトルは「人びとのかたち
平成7年1月に出たエッセー集だった。
比較的、最近の話題が多いなあ・・・。
・・・なあ〜んて思ったけど、もう10年経ってる。
 これもご近所の「Rボン館」で見つけて来た。
何故か100円コーナーにあった。
えっ?
なんで?
このヒトの本ってなかなかない。
ローマ人の物語」なんて1つもない。
人気作家なんだべなあって思ってた。
それが100円コーナー・・・?
これはめっけモンだった。

  • 古希

 よく見たらこのヒト、1937年生まれ。
ってえ事は来年、古希じゃん・・・。
でも、相変わらず元気に書いてる。
ユリウス・カエサル」は生涯の恋人・・・。
歴史の勉強と執筆の日々・・・。
大したモンである。
 歴史モノを書くのは大変だと思う。
創作だけの世界じゃない。
ローマ人の物語」はえりゃあチカラ仕事だべさ。
すんごいねえ・・・。
このパワーはどっから出て来るんだべ?っと思ってた。
 この本を読んで、それがちょとわかった。
この本は今まで読んだ作品とはぜんぜん違う。
何だか「素」である。
何となくチカラが抜けてた。
随分、「塩野七生」が身近になった気がする。

  • ルーツ

 このヒトを「塩野七生」にしたキッカケは1本の映画だった。
「トロイのヘレン」というハリウッドモノ。
これを観て、「ホメロス」を知った。
女学生の時に「ホメロス」を原文で読んだ。
以来、地中海文明に憧れた。
ふえ〜〜っ。
 そんな事してても学習院大卒。
どうも厩舎も毛並もちょっと違うみたい・・・。
えりゃあ、いい家庭だったようだ。
両親はいい映画をどんどん子どもに見せたらしい。
その経験は現在のこのヒトの子育てに反映されてる。
「順のこぼし」ってこってすな・・・。
 本の冒頭に献辞がある。

「映画鑑賞を読書と同列において 私を育ててくれた 今は亡き父と母に捧げる」

 この感覚なので、エッセー集なのに軽くない。
片手間にサラサラ読む気がしない。
もったいないのでじっくり味わって読んでしまった。
やっぱ、キャラが濃い〜いんだべな・・・。

  • 映画エッセー

 この本には約150本の映画が登場する。
濃淡の差はあるけど、何らかのカタチで登場する。
しかも扱いが軽くない。
目の付け所が斜めだし、コメントがふるってる。
かなり面白い。
ついつい惹き込まれちゃう。
 読んでくウチに観たくなっちゃった映画が沢山ある。
どれもこれも面白そうである。
忘れないように「Dog Ear」を付けておいた。
何のこたあない。
読み終わったら折れ目だらけである。
しかも、ご丁寧に最後に登場した映画の一覧が付いてた。
いたれりつくせりで・・・。
続きは又・・・。