グルメのことⅩ

  • 結婚記念

 3月14日は我が家の結婚記念日である。
ホワイトデーでもある。
でも、当時そんなモンがあったかどうか・・・?
何と24年も昔である。
ってえ事は、来年は「銀婚」!
ひょえ〜〜〜っ。
 思えばウチのお坊ちゃまは14歳。
お坊ちゃまは結婚10周年で家族になった。
嫁さんいわく。
「ダイヤなんか要らない」
「スウィート・テン・まお!がいい」とか言ってた。
 ここ数年、記念式典が定着。
結婚記念日の直前の土曜日にディナーに行ってる。
ま、法事みたいなモンである。

  • 仏メシ

 法事みたいとは言っても茶メシって訳にゃいかない。
「ブツメシ」じゃなくて「フレンチ」である。
今年も厳正なる審査の結果、店が決まった。
この街、唯一の合格店「Fェリ」である。
 予約の時間に行くと、奥さまが出迎えてくれた。
「おめでとうございま〜す」
カラカサでマスを回しながら・・・。
な〜んてこたあないか・・・。
ちょっとテレテレしながら席につく。
 今回は一切リクエストなしだという。
何が出るかわからない、まったくの「お任せ」
「そりゃ、楽しみがあっていいね」
っと言いながらかすかに過ぎる不安・・・。

  • ワイン

 最近はインターネットに紹介されてるそうだ。
そう言う時代なんだべね。
嫁さんがしっかりグラスワインサービスクーポンを持って来た。
ま、ちょっと気が引けたけど正解ではあった。
 「じゃ、白ワインをグラスで、あとは赤をボトルで・・・」
ってな訳で両方楽しめた。
赤ワインはボルドーの「sant-ahon(サン・タオン)」
2001年モノだそうだ。
やっぱ美味い!
お値段もいつも飲んでるヤツの10倍である。
当然か・・・?
 どうせ銘柄もヘチマもわかりゃしない。
いつもお任せである。
でも、一応、四の五の言う。
「軽めだけど渋みもコクもあって、香りが良くって・・・」
訳がわかんない。
それでもちゃんと記録に基づいてオススメしてくれる。
大したモンである。

 彩りもキレイにオードブル登場。
サニーレタス・ミニトマト・グリーンアスパラ・ラディッシュ・・・。
合間に新鮮な真鯛の切り身が見え隠れ。
これだけでもキレイである。
そこにサフランとビネガーに漬けたハスが黄色を添える。
更に薄紫色のベリーソースが振ってある。
 いやはや・・・。
ベースのドレッシングも滑らかで出張らず・・・。
でもちゃんと利いてる。
サービスの白ワインもフルーティでよく合ってた。
繊細なひと皿でした。

  • 【フォアグラのステーキ】

 えっ?
この値段でこんなモン出しちゃっていいの?
ってなくらい立派なフォアグラだった。
そもそもフォアグラなんて喰うの何年ぶりだべ?
こんなモン喰っちゃっていいんだべか?
目が潰れそうである。
 付け合せはサヤ付きエンドウマメと春キャベツ。
コントラストもキレイである。
ソースは蜂蜜とビネガーのソース。
これが絶品だった。
へえ〜、こう言う手もあったんだ!っと思わせる。
 それはいいんだけど・・・。
実は嫁さんはレバーが苦手である。
いつの間にかフォアグラが1.5倍に増えてた。
ちょっと内蔵脂肪が心配・・・。

  • 【真鯛のムース仕立て】

 これもイケてた。
焼目付きの真鯛に鯛のムースを乗せて蒸し煮。
そこにタケノコと菜の花を付け合せ。
ソースはグリーンマスタードソース。
見るからに春らしい。
 美味しかった。
やっぱサカナは美味い。
我が家はどうしようもなくサカナ系なんだべな・・・。
ベースはバターなのでいかにも仏メシっぽい。
密かにバルサミコソースで喰いてぇあっとか思っちゃったりして・・・。

  • 【グラニテ】

 梅酒だった。
ま、口直しだからさっぱりしてて当然か・・・。

  • 【ヒレステーキ】

 メインディッシュは牛ヒレのステーキ。
ソースは赤ワインソース。
付け合せにブロッコリ・カリフラワー・芽キャベツ・・・。
これがトマトソースでラタテュユ仕立てになってる。
 奥さまが焼き加減を訊きにきた。
夫婦で同時に答える。
「良く焼いて下さいっ!」
そんなとこでハモってどーする?
いかにも肉系じゃないって夫婦である。
 肉は美味しかった。
又、嫁さんが余計なヒトコト。
「生醤油で食べたいわね・・・」
そりゃ、来るとこが違うだろ〜っ!

  • 【デザート】

 そうなんだよねえ・・・。
仏メシはデザートも立派なひと皿なんだよねえ・・・。
出てきたデザートはてんこ盛りだった。
ブラマンジュと3種類のケーキ、柚子シャーベットにフルーツ。
すんごいですねえ〜。
 香ばしいコーヒーとともに全部平らげた。
やっぱ腹一杯でも残せないべな。
ってゆ〜かあ、見た目より軽いので喰えちゃう。
さすがに今回は赤ワインが残っちゃった。
テイクアウトである。

  • 年中行事

 年一回とは言え、何だか馴染んでしまった。
嫁さんが主婦連でランチを堪能してる所為もあるべ。
あたかも常連さんみたいな顔である。
間違いなくえりゃあサービスしてくれてる気がする。
だから立派なフォアグラなんだべな・・・。
やっぱ嫁さんはリクエストしといた方がいいかも・・・。
 ウデは確かだと思う。
嫁さんが「蜂蜜・ビネガーソース」を絶賛した。
あとで聞いたところ、シェフが狂喜乱舞・欣喜雀躍したとか・・・。
強いて言えばもうちょっと駅の近くでやって欲しいな。
 こないだの「N々菜」に続いてホンモノの美味いモンを喰った。
ホンモノが喰える事が珍しい世の中である。
ホンモノはそれなりのお値段がかかる。
世のスタンダードはたっぷり「旨み調味料」である。
情けない・・・。
 とりあえずマジメに働いてるサラリーマンである。
マジメにやってりゃ、衣食住には不自由する事はない。
毎週末は夫婦で映画やショーを観に行ける。
週に1ぺんっくらいは気楽にホンモノの味を喰える。
そんな世の中であって欲しいね・・・。